2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病が動脈硬化に及ぼす影響についてのメカニズムの検討
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26893303
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
宮部 愛 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70734929)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 歯周病 / 炎症 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ross による炎症が動脈硬化の形成に関連するという研究報告は、心血管系疾患のメカニズムの解明に新たな方向性をもたらした(Ross. N Engl J Med,340,1999)。 歯周炎は、グラム陰性嫌気性菌である歯周病関連細菌の代謝産物と生体細胞との相互作用により炎症反応が亢進し、歯肉の炎症及び歯槽骨の吸収が進行する慢性炎症性疾患である。また、歯周病とアテローム性動脈硬化の間には相関関係があることも示唆されているが( Beck et al, Atheroscler Thromb Vasc Biol,21,2001)、歯周病が動脈硬化に関与する詳細なメカニズムについては未だ明らかではない。 今回の研究では,病的な血管リモデリングが血管平滑筋の増殖、遊走、新生内膜形成を介してアテローム性動脈硬化等の心血管病の進展において重要な過程となることに着目した。 具体的には,血管リモデリングにおける歯周病の関与について解明すためにマウスモデルを作成し、血液や血管などの生体サンプルや培養細胞を用いた実験を行い、in vivo, in vitroの両面から歯周病が血管リモデリングに及ぼす影響とそのメカニズムについての分析を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験を中心に、概ね当初の予定通りに研究が進んでおり、一定の研究結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性炎症性疾患である歯周病とアテローム性動脈硬化の間には有意な相関関係があることが示唆され、歯周病と動脈硬化に関する数多くの研究が報告されているなかでも歯周病が動脈硬化に関与する詳細なメカニズムについては現時点では未だ明らかではない。今回の研究ではその詳細なメカニズムの解明を目指すとともに、歯周病の治療によって冠動脈疾患の2次予防に有用であることを明らかにすることが目的であり、それにより今後の歯周病治療と動脈硬化の予防に大いなる貢献ができるものと考えられる。
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