2014 Fiscal Year Annual Research Report
すりガラス様陰影を呈する肺癌とその前癌病変の遺伝子学的特徴:増大の有無による違い
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26893310
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
小林 祥久 近畿大学, 医学部附属病院, 助教 (30734628)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 肺癌 / スリガラス陰影 / ground glass opacity / ground glass nodule / 癌遺伝子 / 腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性肺癌に対して切除された病変のうち、CT画像上GGO成分を50%以上含むものを104例集積した。病理組織学的には全例が肺癌またはその前癌病変であった。 これらにEGFR、KRAS、ALK、HER2遺伝子の解析を行ったところ、全体の75%でいずれかの遺伝子変異がみられた。それぞれの陽性率はEGFR64%、KRAS4%、ALK3%、HER2 4%であり、残りの25%は4つとも陰性であった。 経過観察中の増大の有無については、高解像度CT検査を2mm以下のスライスで術前に少なくとも2回以上施行された71病変を評価対象とした。この中で増大傾向を示したものは30例、2年以上変化しなかったものは5例であった。 遺伝子検査と増大の有無の関連を解析するにあたって、まずはこれらの35例について「増大イベントの有無」を比較した。次に、71例について「増大するまでの期間」を比較した。 2つの統計解析の結果は一貫しており、遺伝子変異のないものは増大しないことと関連していた一方で、EGFR変異陽性は増大と関連していた。このことから、EGFR陽性のGGOは将来増大しやすいため注意深い経過観察や切除が必要となるが、遺伝子変異のないGGOは切除しなくて良いことが示唆された。実臨床に応用するには非侵襲的に遺伝子変異の検査を行えるようになることが必要であるが、本研究による増大の有無と遺伝子変異の関連は、経過観察のアルゴリズム構築に有用である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者との連携がスムーズであり、解析が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに症例数を増やして解析を進めることと、遺伝子変異が陰性であった症例に対する次世代シーケンサーでの包括的解析を試みる。
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Research Products
(6 results)