2014 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアCa2+制御機構とその破綻による心血管病態機序
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26893317
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田頭 秀章 福岡大学, 医学部, 助教 (90735028)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 循環器 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近の研究により、ミトコンドリアはATP産生の場としてだけでなく、アポトーシスの制御、活性酸素種(ROS)の生成およびCa2+の貯蔵庫としての役割が明らかになってきた。特に、心臓においてATP産生とCa2+調節はポンプ機能の維持に必須であり、また一方、ROSの生成は心不全の病態形成に密接に関わっている。このように、ミトコンドリアの制御機構は心臓の機能維持と病態生理を理解する上で重要であり、心不全の創薬標的としても極めて興味深い。これまでに申請者は、心不全時にsigma-1受容体/IP3受容体を介した筋小胞体-ミトコンドリアCa2+輸送系が障害されていること、さらに、その障害をsigma-1受容体アゴニストで改善すると、心筋保護効果が示されることを明らかにしてきた。本研究では、これまでの研究成果を糸口として、ミトコンドリアCa2+輸送体(MCU、NCLX)欠損マウスおよび薬理学的ツールを用い、ミトコンドリアCa2+制御機構とその破綻による心血管病態機序の解明を目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、心血管病の病態機序における各種ミトコンドリアCa2+輸送体の役割についてin vivoおよびin vitroの各種実験系を駆使して解析し、ミトコンドリアCa2+輸送体の新たな創薬標的としての可能性を追求する。ミトコンドリアCa2+輸送体の研究ツールとして、各種ミトコンドリアCa2+輸送体遺伝子欠損マウス(作製済)を使用し、フェノタイプを解析中である。また、本年度は、各種ミトコンドリアCa2+輸送体の心筋特異的・平滑筋特異的高発現マウスを作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、前述した目的を達成するために、各種ミトコンドリアCa2+輸送体遺伝子欠損マウスの心血管機能について引き続き解析し、野生型マウスと比較する。 また、各種ミトコンドリアCa2+輸送体遺伝子欠損マウスおよび野生型マウスから心筋細胞、血管平滑筋細胞を単離・培養し、各種Ca2+蛍光色素およびCa2+ imagingプローブを用いて、細胞質Ca2+シグナル(bulk相)、ミトコンドリアマトリックスおよび小胞体-ミトコンドリアマイクロドメインの局所Ca2+シグナルをイメージング解析する。さらに、各種ミトコンドリアCa2+輸送体阻害薬を用いて、ミトコンドリアCa2+輸送機能を解析する(各種ミトコンドリアCa2+輸送体の定量的解析法および薬物スクリーニング法の確立)。また、本研究で使用する遺伝子欠損マウスは全身の遺伝子欠損である。そこで、心筋特異的および血管平滑筋特異的各種ミトコンドリアCa2+輸送体遺伝子高発現マウスを作製した。本年度、これらマウスの掛け合わせを行うことにより各種ミトコンドリアCa2+輸送体遺伝子欠損マウスで見出された形態学的・機能的変化および心血管病態変化に対して、心臓・血管に限定したレスキュー実験を実施する。
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Research Products
(5 results)