2014 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒モデルを用いた口蓋裂術後瘢痕形成を抑制する薬剤的アプローチ
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26893320
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
秦 省三郎 福岡歯科大学, 歯学部, その他 (40736732)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 筋線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
創傷治癒過程において TGF-β1 を介した線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化が瘢痕の収縮をきたし、その分化には上皮-結合組織の細胞間の相互作用が関与していると報告されている。 本研究では、薬剤的なアプローチにより創傷治癒過程における瘢痕形成の抑制を行うことで、組織の恒常性を回復するような治療法の可能性を検討することを目的としている。 そこで、我々はラット背部皮膚から採取した上皮細胞および線維芽細胞から構成される三次元細胞培養系を作成し、この三次元細胞培養系を用いて TGF-β3 ならびに bFGF が線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化メカニズムに及ぼす効果と、TRPV4 チャネルの関連性について検討している。現在、TGF-β3、bFGF ならびに TRPV4 チャネル拮抗薬が線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化に及ぼす効果をみるために、α-SMA 発現を指標とした生化学的および免疫組織学的解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TRPV4 チャネルに関しては、その発現の再現性が得られていないものの、当初の計画通りの in vitro の実験系の確立は行えているので。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット瘢痕治癒モデルを用いた in vivo での実験系を用いて、これまでの in vitro の実験系から得られた知見との対応付けを行う。実験動物として、生後20日齢雄性 Wistar 系ラットを用いる。control 群(無処置)、sham 群、TGF-β1 投与群、TGF-β3 投与群、bFGF 投与群、TRPV4 拮抗薬投与群の6群を設定し、生体吸収性ハイドロゲルに使用薬剤を含浸させて創部へ填入する。無処置(0日目)、または処置後3、7、14、あるいは21日目において標本を摘出し、形態学的ならびに生化学的に瘢痕組織の状態を評価することで TGF-β3、bFGF ならびに TRPV4 拮抗薬などを用いた薬剤的アプローチの瘢痕形成抑制の有効性を検証する。
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Research Products
(2 results)