2015 Fiscal Year Annual Research Report
救急搬送が必要な独居高齢者が、緊急時通報システムを使用しない要因
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26893329
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
山岸 里美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 助教 (50736957)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 看護 / 独居高齢者 / 緊急時システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、救急搬送が必要な独居高齢者が、緊急時通報システムが自宅に設置されているにもかかわらず、なぜ通報システムを使用しないのか、その要因を詳細に明らかにすることである。 都内A区在住の独居高齢者12名を対象に半構造的面接を行い、クレッペンドルフの内容分析を用いて分析を行った。分析の際には、老年看護に5年以上従事する看護師2名に依頼して分析結果の妥当性を判断してもらい、また、研究者の偏見や先入観による分析の歪みがないか、質的研究の専門家にスーパーバイズを受けた。 結果、86文脈単位、29記録単位、9サブカテゴリーが抽出され、3つのカテゴリー【利用機会の喪失】【使用するには気を遣う】【使わなくてもいいという意思】が抽出された。 独居高齢者を対象にした研究では、加齢による健康不安から、独居高齢者が「近い将来も住み慣れたわが家で暮らし続けられるか」という不安を持って生活していることが明らかにされている。身近な救助者となり得る同居者がいない独居高齢者にとって、急変時にどのように自ら対処するのか具体的方法を決めておくことは、在宅療養生活を安心して継続することにつながる。このような背景の中、緊急時通報システムが自宅に設置されていても使用しない要因として、【使用するには気を遣う】【使わなくてもいいという意思】が明らかになった。これらの高齢者の心理面も考慮しながら、【利用機会の喪失】状態にある独居高齢者の問題点を解決し、通報システムが実用的に活用されるよう対策をとることの必要性が示唆された。健康長寿国を目指し孤独死防止対策を推進するために、早急に取り組むべき課題が明確になったと考える。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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