2015 Fiscal Year Annual Research Report
認知症治療薬の開発を見据えたTauのクリアランス機序の解明
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26893337
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
齊藤 聡 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (40732996)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | アルツハイマー型認知症 / Aβ / Tau / 脳アミロイド血管症 / クリアランス |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー型認知症 (AD)の主要な病原性蛋白であるAmyloid β蛋白 (Aβ) とTau蛋白の除去機構の解明が本研究の目標である。これまで主たるAβの除去機構として、Perivascular lymphatic drainage pathwayが知られていた。これは神経細胞で産生されたAβが、毛細血管、細動脈、髄膜動脈へと、血管平滑筋細胞の間を縫って、二層の基底膜の間の層を流れ、髄液、頸部リンパ節へと除去されるシステムである。 本研究では、ヒト病理検体の解析において、血管壁に蓄積する4リピートタウが確認された。ヒトTau過剰発現マウスであるPS19マウスを使用した動物実験では、一側の総頚動脈を結紮し、脳血管の拍動を抑制したところ、非手術側に比して、脳内でTauの蓄積が増加していた。一方、Perivascular lymphatic drainage pathwayを促進するシロスタゾールの投与によって、Tauの蓄積は減少した。 脳アミロイド血管症モデルマウスであるTg-SwDIマウスとPS19マウスとの交配によってdouble transgenicマウスを作製した。double transgenicマウスでは、PS19マウスに比して、Tauの蓄積が増加していた。また、double transgenicマウスは、Tg-SwDIマウスに比して、Aβの蓄積が増加していた。double transgenicマウスは、海馬の神経細胞脱落も顕著であった。 これらの結果より、細胞外で一部のTauは血管を介した除去機構でクリアランスされる可能性が考えられた。Perivascular lymphatic drainage pathwayの促進は、Aβのみならず、Tauのクリアランスを促し、認知症治療に有効である可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)