2015 Fiscal Year Annual Research Report
結核菌の遺伝系統分類および疫学情報に基づく若年者結核のリスク要因究明
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26893338
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Research Institution | Osaka City Institute of Public Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
山本 香織 大阪市立環境科学研究所, その他部局等, 研究員 (70649011)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 結核 / 北京型株 / 新興型 / 若年者 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国は結核中蔓延国であり、結核患者のうち10 数%は40 歳未満の若年者である。若年結核患者から分離される結核菌は高齢者から分離される結核菌と比べ、より感染伝播力・発病率が高いと言われている遺伝系統(北京型株新興型:新興型)が増加傾向にあると報告されているが、その蔓延状況および病原性については明らかではなかった。本研究課題では全国的にも結核蔓延が著しい大阪市をモデルケースとして、新興型の蔓延状況および、その病原性を明らかにすることを目的とした。 2012年から2014年の40歳未満新登録結核患者から分離された結核菌株189株について、Rv0679c遺伝子の1塩基置換をターゲットとしたマルチプレックスPCR法による北京型、非北京型の分類および、縦列反復数多型(VNTR)の各領域における反復数の頻出傾向からの亜系統推定(MAP推定)を行ったところ、検出された北京型株のうち新興型が占める割合は約半数に及ぶことが分かった。現在、40歳未満新登録結核患者について疫学情報の収集を継続しており、収集作業を終え次第、統計的手法として傾向スコアを用いた共変量調整を用いて結核菌の遺伝系統による感染伝播力・病原性の比較を行う予定である。 また、大阪市のあいりん地域において、2006年から2014年に結核患者から分離された結核菌490株についても同様に解析を行った。2002年から2004年の本地域における調査研究では、祖先型株が優先していたが、本研究により新興型の検出率が年々増加し、2014年には新興型の検出率が祖先型を上回ったこと、VNTR一致によるクラスター数は新興型が最も多かったことから、地域内の伝播の主流が新興型となっていることが判明した。本地域の患者年齢階級は、50代から70代で80%以上を占めており、若年者層のみならず中高年者層にも新興型の検出割合が高まってきていることが示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)