2014 Fiscal Year Annual Research Report
倫理的消費行動=エシカル・ファツションを用いた消費者教育研究
Project/Area Number |
26908053
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
葭内 ありさ お茶の水女子大学, 附属高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 消費者市民教育 / エシカル・ファッション / 高校家庭科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自らの消費行動が社会に与える影響について知り、持続可能な社会の一員として考え行動する生徒を育成することを目指した。題材として、家庭科の全国初の試みとして2011年より本校で取り上げている、「エシカル・ファッション」に着目し、被服・消費・環境分野の融合という新しい切り口を家庭科教育に取り入れた。エシカル・ファッシションとは、環境や人権に配慮した衣生活を意味する。 本校事前意識調査によれば高校生の消費者市民的意識は低い。そこで、高校2年必修「家庭総合」において春から秋にかけての授業を通し、生徒の消費の背景へのまなざしの育成を行った。 方法として、衣服の生産から消費までの一連の流れを実際に体験させた。まず、エシカル・ファッションの要素である「天然素材」「伝統技術」を用いた服を製作した。高校で完全天然製法の藍染液を作成して藍染めを行い、1枚の布から服を作った。その際、徳島の藍染め職人と外部連携し、ビデオレターによる事前学習を行い、さらに、高校の藍染め教室と徳島藍染め工房を、PCタブレットによるインターネットビデオ通話でつなぎ、遠隔地の職人と、情報科との連携によるITCを活用しながら、藍畑や工房の見学や助言を受ける藍染め実習授業を実施した。その後、作成したファッションカタログを活用しながら消費の背景の考察へとつなげた。文化祭では外部複数のエシカルブランドや途上国の女子教育支援のNGOと連携してファッションショーを行った。 学習のまとめとして外部連携を活用しながら解説リーフレット作成し配布することを通じて、学習の定着を図った。さらに、グローバルエシカル企業のパタゴニア日本支社長による特別講演会をおこなった。以上の各段階、年度末に意識調査による効果測定行い、学習の成果を検証したところ、消費者市民的視点が育成されたことが明らかとなった。
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