2014 Fiscal Year Annual Research Report
新燃焼技術を応用した難処理性バイオマス樹皮の燃焼促進法と有効利用法の開発研究
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26917002
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
阿部 文明 愛媛大学, 工学部, 技術系職員
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 固体燃焼 / ヒノキ樹皮 / 二段階燃焼法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 製材工程で副産物として大量に発生し, 難処理性のためにその多くが産業廃棄物として処分されているヒノキやスギの樹皮を燃料化する直接燃焼法の開発を目的とした. さらに燃焼によって発生する熱エネルギーの有効利用についても検討した. 研究では, セラミック製および透明石英製の二種類の小型燃焼器を用い, 木質バイオマスの二段階燃焼法を応用し, 含水率が13, 22, 35%のヒノキ樹皮チップによる燃焼実験を行った. その結果, チップ粒子(熱容量)が小さいヒノキ樹皮チップでも木材チップと同様に分解燃焼過程と表面燃焼過程とに分離し, かつ連続した二段階の燃焼プロセスで燃焼することを確認した. また本実験範囲では, 供給空気量の操作によって燃焼率が分解燃焼過程では約5×10^<-3>~24×10^<-3>kg/(㎡・s), 表面燃焼過程では約3×10^<-3>~5.5×10^<-3>kg/(㎡・s)の範囲で制御可能で, また含水率が異なる場合でも広範囲で安定した燃焼が保持できることがわかった. このことから, 二段階燃焼法によりヒノキ樹皮チップの燃料化が可能と考えられる. また, 分解燃焼で生成された炭化物量を基にした推算から, 分解燃焼過程における利用可能な熱量は燃焼温度が1150K近傍では総発熱量の50%程度であること, 燃焼温度の低下とともにその割合が減少(表面燃焼過程で増加)することが推定される. さらに①燃焼後の残渣が木材チップと比較して嵩張り, 質量では5~6倍程度増加する②燃焼ガス中の未燃ガスの再燃焼が可能で, 熱回収と減煙化が期待できるなど, 燃焼炉開発に関する貴重な知見を得ることができた.
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