1985 Fiscal Year Final Research Report Summary
Project/Area Number |
57060004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪井 正道 東京大学, 薬, 教授 (40012588)
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Project Period (FY) |
1982 – 1985
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Keywords | DNA / 塩基配列 / 分子構造 / 多形 / ラマンスペクトル / オリゴDNA / コンホメーション / ポリヌクレオチド / ヌクレオソームコアー粒子 |
Research Abstract |
DNA二重らせんの多形性と塩基配列との関連について結論を集約することを目標として新たにCGCGTATACGCG等ドデカマ-5種とTTATATAA等オクタマー5種とを合成し、ラマンスペクトル等によって水溶液中の多形性を調査した。また、ヌクレオソームコアー粒子とその構成要素である146塩基対DNAならびにヒストンオクタマーを精製し、差ラマンスペクトルの測定ならびに解析によってDNA-ヒストンの相互作用について知識を得た。以上に基いて11項目から成る結論を導いた。すなわち〔ア〕DNA二重らせんの多形をおこしている因子の概観、〔イ〕多形性の記述に当り、まず連続した2個の塩基対ごとに「固有の」コンホメーション多形をあてはめ、次にこれらがつながった場合その境目に生じた葛藤に対する妥協を考慮していく記述方法の提案、〔ウ〕CpG,GpC,GpG(=CpC),ApT,TpA,ApA(=TpT)についての「固有」のコンホメーション多形の提唱、〔エ〕G・C塩基対とA・T塩基対とが混在した場合の多形性の規則の斜述、〔オ〕シトシンのメチル化の効果等である。なおヌクレオソームコアー粒子でヒストンオクタマーを巻いているDNAは主としてA・T塩基対部位にA形局所構造を持つと考えられた。これらの結論の詳細は昭和61年3月に提出の研究成果報告書の記されている。また昭和61年2月26日午后1時〜5時半に東京大学薬学部3階講堂において公開発表会を開催し、(1)概要、(2)DNAフラグメントの新しい合成法、(3)DNA振動形の追究、(4)ラマンスペクトルによる溶液中DNAの構造解析、(5)薬物との相互作用によるDNAの構造変化、という5項目に分けて発表を行なった。ここでは約70名の聽衆を得、多くの討論が盛んに行われた。
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[Publications] Nucleic Acids Research. 14-5. (1986)
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[Publications] Biochemistry. 24-18. (1985)
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[Publications] Chemical Physics. 98. .71 (1985)
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[Publications] Biopolymers. 24. .1107 (1985)
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[Publications] Spectrochimica Acta. 41A-1/2. (1985)