1985 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経系で作動する新しい生理活性ペプチドの系統的検索とその生化学的研究
Project/Area Number |
58060003
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
松尾 壽之 宮崎医科大学, 医, 教授 (50028685)
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Keywords | ニューロメジンU-8 / U-25 / B-30 / B-32 / ペプチドC-末端アミド化酵素 / ANP分泌 / インヒビン |
Research Abstract |
1 脳脊髄に内在する平滑筋收縮性ペプチド ブタ脳および脊髄からラット子宮筋に対し強い收縮活性を示す新しいペプチドを単離、その構造を決定し、Neuromedin U-8と命名した。同時にU-8のN-末端延長ペプチド、Neuromedin U-25も単離同定した。両者の構造の比較から生合成上の関係が示唆される。さらに、副分画から、新しくNeuromedin B-30、B-32を単離、構造を決定した。これらは、先に同定したNeuromedin BのN-末端延長ペプチドである。 2 ペプチドC-末端アミド化酵素の精製 ブタおよびラット下垂体、ならびにカエル皮膚から、題記酵素の精製を行なった。本研究における問題点であった酵素活性測定は、【^(125)I】-標識Ac-Tyr-Phe-Glyを基質とし、反応生成物を有機溶媒抽出することによって容易に分離定量することにより簡便に実施できる様になった。本法を用いて、ブタ下垂体、カエル皮膚の酵素精製をほぼ完了した。 3 心房性ナトリウム利尿ホルモン(ANP)の分泌機序 ラット摘出心房の灌流実験に於て、種の薬物刺激に対するANPの分泌応答を検討した。自動能を有する心房は、β-アドレナリン作働性刺激に鋭敏に反応し、ANPを分泌する。灌流液中には、心房内貯藏型のγ-rANPは見出されず、すべて小分子のα-rANPとして分泌される。 4 卵胞液からインヒビンの単離同定 ラット下垂体前葉培養細胞系でのFSH遊離抑制能を指標にして、ブタ卵胞液中に、分子量100K,80K,55K,32Kの種のインヒビン活性を分離した。この中、總インヒビン活性の70%に相当する32Kインヒビンを単一に精製した。本ホルモンは下垂体からのFSH遊離を抑制するが、LH分泌には影響を与えない。本品は、20Kおよび13Kのサブユニットから成り、各ユニットのN-末端構造を明らかにした。同様に、ウシ卵胞液からもインヒビンの精製に成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Biochem.Biophys.Res.Commun.130-(1078). (1985)
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[Publications] Nature. 314(384). (1985)
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[Publications] Biochem.Biophys Res.Commun.129(248). (1985)
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[Publications] New.Eng.J.Med.312(1456). (1985)
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[Publications] Biochem.Biophys.Res.Commun.129(396). (1985)