1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
58065001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸田 正直 北海道大学, 文, 教授 (40000525)
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Keywords | 社会的相互作用 / デモンパーサ / 日常会話 / 知識表現 / 認知 / 感情 / 日本語会話文文法 / 印象形成 |
Research Abstract |
1.社会的相互作用模型の構築 社会的相互作用模型を構築するためには、言語や推論に関する人間の日常的知識を計算機上に表現する必要がある。そのために、日常的知識の表現に適した知識表現言語 OPHELIAの第1版を、VAX11/750上にインプリメントした。次に、OPHELIAの上に、日常会話文の意味解析を行なうデモンパーサ HELPARをインプリメントし、また、HELPARによって生成された意味構造を基にして日常的推論を行なう推論システムをOPHELIA上に試作した。さらに、会話文の意味解析および推論を制御するための制御システムとしてEMOTIONAL ARCHITECTUREと呼ばれるオブジェクト・ネットワーク・システムをやはりOPHELIA上に試作した。このシステムは、人間の感情と同様の、認知過程を制御する機能を果たすと考えられる。 2.日常会話文の分析と知識データベースの設計 我々が日常的に用いている言葉を、システムの記号処理系の内で表現し、処理できるように再定義する作業を中心に行なった。本年度は文法の中でも中核的役割りを果たしている動詞の解析に着手した。具体的には、日常会話に用いられる動詞の意味説明を、なるべく共通の基本概音と記号を用いて行なう作業をしつつ、動詞の階層的分類を試みた。また、今後のシステムの内部処理の基盤として機能する会話情狂の意味格構造の試案を作製し、日常会話文とその意味格構造の間の対応関係を得るための日本語会話文文法の徹底的再検討を行なった。 3.社会的相互作用実験 ある状況下での他者の行動を手懸りとした印象形成過程の分析を目的とした実験を中心に、移動実験車を用いて行なった。被験者の反応に基づき状況場面を分類した結果、自己主張判定場面、無頓着判定場面、優しさ判定場面の3つに大別することができた。
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[Publications] G.d′Ydewall: Cognition,Information Processing,and Motivation.North Holland.(1985)
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[Publications] J.Spence,& C.Izard: Motivation,Emotion,and Personality.North Holland.(1985)
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[Publications] 日本音響学会誌. 42-2. (1986)