1985 Fiscal Year Annual Research Report
クラスターイオンビーム技術(蒸着と結晶性制御)に関する研究
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58065006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高木 俊宜 京都大学, 工, 教授 (10025801)
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Keywords | クラスタ / イオンビーム / エピタキシ / 超LSI |
Research Abstract |
昨年度確立した熱力学的クラスタ生成理論を発展させ、クラスタ生成過程の計算機シミュレーションに成功した。この結果を実験結果と対比させ、クラスタイオンビーム装置の動作機構の詳細な解折と動作条件を明らかにし、装置開発の設計資料を得た。本結果は現在進みつつある本技術の実用化研究に寄与している。 本年度購入した高解像度電子顕微境を駆使して、生成した金属クラスタの直接観測に成功した。クラスタは100〜2000個の原子からなる巨大原子集団であることをエネルギー分折などによって間接的に測定していたが、今回は液化窒素温度に冷却した基板上に金属クラスタを捕集しこれを直接観測することができた。この結果はエネルギー分折など各測定法に特有の不確定要素が排除でき原子分子レベルの薄膜形成機構の解明に飛躍が得られるものと期待されている。 蒸着と結晶性制御の研究においてはモノリシック形金属、絶緑物、半導体の単結晶エピタキシャル成長(通常法では不可能)に成功して以来、そのメカニズムの解明を Al/Ca【F_2】/Siの組み合わせでおこなった。この結果結晶ミスフィットの整合、結晶の成長に新しい情報が得られた。これは将来超VLSIのデバィス構成の基盤を与えるものでクラスタイオンビーム技術の高価値と画期的な応用面が開かれたと評価されている。また、材料科学的にもエピタキシャル成長に新しい概念を導入したものと思われる。 以上本年度は、クラスタ生成機構から、設計理論に至る技術の基本面とこれを用いた応用面に新分野を開くことができ、クラスタイオンビーム技術の真価を実証することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Takagi: Vaccum. (1985)
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[Publications] I.Yamada,H.Takaoka,H.Usui and T.Takagi: J.Vac.Sci.Technol.(1985)
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[Publications] I.Yamada,H.Usui,H.Inokawa and T.Takagi: Surf.Sci.(1985)