1985 Fiscal Year Annual Research Report
学童防災教育のあり方とその教育効果判定法に関する研究
Project/Area Number |
59020039
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
林 知己夫 統計数理研究所, その他, その他 (50000188)
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Keywords | 学童防災教育 / 防災ビデオ教材 / 防災訓練 / 避難行動 / 教育効果判定 / ビヘビオラル・ディファレンシャル法 / 起震車体験 |
Research Abstract |
前年度の準備研究を基礎に以下の実験・分析による検討を行った。 1. 防災教育方法、教材の開発 前年度試作の教師向映像教材を現場の教師に視聴させ、内容面と視聴の容易さの両面に関して、質問紙測定による反応を分析し、今後の改善点を検討した。また、視聴時の集団アナライザーの記録および視聴後の集団討議場面の録画を通して、教師が試作教材から受け取る情報内容がどのようなものかを考察し、この種の教材開発や教師への指導に役立つ諸知見を整理した。 2. 学童と父兄に対する防災教育方法の立案 茨城県下の小学校の協力により、起震車体験が学童の防災態度に及ぼす影響に関する実験を行い、防災教育方法の要件を探り、既存の学童および成人向防災教材(映像、活字媒体)の内容および訴求力の検討結果と合せて、効果的と考えられる教材の試案を準備した。これの妥当性の検証は次年度に継承される。 3. 防災教育効果判定 災害に対する心理的準備状態を測定するビヘビオラル・ディファレンシャル法(BD法)の開発研究として、前年作成のBD尺度を男女高校生およびその父母の4組の被験者群に適用し、結果の分析を通して、避難の「行動意図」が5因子による多元的構造をもち、4群を通じて安定しているなど、実用化に向けて方法の妥当性・有効性の吟味を行った。また、これに関連して、東京23区の広報誌や防災手引の内容分析を行い、防災コミュニケーションの重要な発信源である自治体側の認識・対策の特徴を検討し、全体に共通する、いわば防災哲学を明らかにし、各区の特殊性を知ることができた。さらに大都市防災と対比するため、青森市および六ヵ所村の防災教育の現状を調査した。 最終年度となる次年度は、各課題の成果を総合し目的達成を図る。
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