1985 Fiscal Year Annual Research Report
リソゾームチオールプロテアーゼ特異的阻害蛋白の構造・機能ならびに医学的意義
Project/Area Number |
59065007
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
勝沼 信彦 徳島大学, 医, 教授 (50035375)
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Keywords | リソゾーム / カテプシン群 / シスタチン / オートリソゾーム / ヘテロリソゾーム / 筋ジストロフィー症 / 遠位性ミオパチー |
Research Abstract |
リソゾームのチオールプロテアーゼ群の細胞内機能、ある種の病態における役割及びチオールプロテアーゼ群の内在性阻害タンパク(シスタチン群)の活性部位と阻害機構に関する研究を本年度は行った。 1.細胞内タンパクの分解機構とカフプシン群の機能分担。リソゾームのチオールプロテアーゼを阻害すると取り込まれたタンパクの分解が阻止され、リソゾームは重くなる。この性質を利用してオートリソゾーム(自己蛋白質の消化液胞)とヘテロリソゾーム(外来蛋白質の消化液胞)を分離して、その内容物を分析し、この2つの機能に及ぼす栄養条件、ホルモンの影響を調べた。再摂食やインシュリンの投与は自食作用を著しく抑制したが、外来タンパクの取り込みには全く影響を与えなかった。オートリソゾーム内のタンパク分解には3種のカテプシン(B,H及びL)共関与しているが、ヘテロリソゾーム内タンパク分解にはLの関与の程度が低いことから、一次リソゾームの2つの貧食胞への融合に選択性がある示唆を得た。2.リソゾームプロテアーゼと病態発現機構。デュシャンヌ型筋ジストロフィーやジストロフィーモデル動物では罹患筋における強いカテプシンB,H及びシスタチンβの上昇を認めたが、これらは筋細胞内に浸潤してきたマクロファージに局在することを証明した。ヒト遠位型ミオパチーはジストロフィー症のようなマクロファージの浸潤を伴わず、筋細胞内にRimmed Vacuoleを認める疾患であるが、このVacuolesにカテプシンB及びHが局在することを証明し、Vacuolesは病的なリソゾーム由来で、筋タンパク崩壊の場である示唆を得た。シスタチン群投与の有効性が期待される。3.シスタチン群の活性部位。シスタチン-αのプロテアーゼによる消化実験からN末より14残基の除去により活性は完全に消矢し、分子中央部の活性部位と並びN末部もシスタチン-βと同様、活性発現に重要であることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Biochem.96-6. (1984)
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[Publications] Advances in Enzyme Regulation. 23. (1985)
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[Publications] Curr.Topc.Cellul.Regul.27. (1985)
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[Publications] FEBS Lett.182-1. (1985)
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[Publications] J.Biochem.98-1. (1985)