1985 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサージェリー用マイクロロボットシステムの開発
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59400002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舟久保 煕康 東京大学, 工, 教授 (10010688)
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Keywords | マイクロサージェリ / ロボット / 角膜移植 / トレパン |
Research Abstract |
昨年度はマイクロサージェリーの一分野である角膜移植手術を具体的対象とし、角膜切除を行うロボットシステムを試作した。本年度はこの試作システムを動物実験を通して検討し、その評価を基に改良システムを製作した。 昨年度製作した試作システムを用いて犬角膜の切除実験を行った。これにより試作システムには以下に示す問題点があることが確認された。第一に試作システムでは角膜の真上に大きなスペースを必要とするため顕微鏡と並用できないだけでなく、視覚センサを取付けた場合でも視野が妨げられる。又、全体に大型であり、操作性も悪かった。 これらの問題点の改良を行った。まず角膜切除部を改良し、モータ等を根元部に配置することにより、トレパンの上部には何も置かず、顕微鏡と並用できる構造とした。又、重量240gと手先部を小型・軽量化し、姿勢の自由度・吸着管・トレパン径を可変とする構造を組込んだ。又、切込み深さの測定等の機能も有している。腕部は床置き構造から手術台取付け構造に変更し小形化を図った。昨年度のシステムではブレーキだけを取付けていた関節部にもモータを配置した。宣、角膜切除部の着脱部を改良し、他の装置も容易に着脱可能な構造とし、他のマイクロサージェリへの応用を可能とした。 この改良システムを用いて豚角膜の切除実験を行った。その結果、角膜切除が可能であることを確認するとともに、昨年度問題となった点が改善されていることも確認した。又、角膜の切り始め及び切り終わりをモータのトルク変動により認識することにより、切り過ぎの事故を防ぐことが可能となり、安全性・信頼性の向上、図った。 画像処理システムについては、その基本設計を行った。今後は画像処理システムとロボットシステムをリンクし、実験を通して角膜移植に限らず広くマイクロサージェリ分野への応用を検討する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 第24回日本ME学会大会論文集. (1985)
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[Publications] 昭和60年度精機学会秋季大会学術講演会論文集. (1985)
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[Publications] 第1回エル・エス・ティ学会大会論文集. (1985)