1985 Fiscal Year Annual Research Report
極超高真空電子顕微鏡による表面-結晶成長ミクロプロセスの研究
Project/Area Number |
59420048
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高柳 邦夫 東京工業大学, 理, 助教授 (80016162)
|
Keywords | 超高真空電子顕微鏡 / 表面 / 結晶成長 / 表面再配列構造 / 吸着構造 |
Research Abstract |
本年度は、研究実施計画にもとづき、1.超高真空排気系を備えた極超高真空電子顕微鏡を完成し、2.結晶表面・結晶成長のミクロプロセスの観察を行った。 研究成果は、まだ予備的な研究段階でのものではあるが、以下の事柄を得ている。1.シリコン(111)表面の再配列構造として良く知られている7×7超格子構造について、(【i】)透過電子線回折法を用いてその表面原子の具体的配置を求めた。(【ii】)この配置(DASモデル)はその後に行われた他の研究手法による結果によっても強く支持され、透過回折法が表面構造解析法として有力であることを示した。2.(【i】)Ge(111)表面の2×8再配列構造についても検討を加え、DAS構造と類似な基本構造をもっと、実験結果が良く説明できることを示し、(【ii】)Si(111)-7×7表面上にGeを蒸着してできる5×5,7×7超格子構造についても、これらがDAS構造と基本的に同じ原子配列をもつことを透過電子回折法で示した。清浄表面に吸着した金属が形成する超格子構造についても透過電子顕微鏡法・回折法による研究を行い、3.Si(111)-7×7再配列皮然に吸着したAg原子は【√!3】×【√!3】超格子をつくるが、この構造の透過回折図形・顕微鏡像を得ることに成功し、回折強度の詳細な解析を行い、従来数多く提案されていた吸着構造モデルでは実験結果を説明できないことを示し、この【√!3】構造がもついくつかの構造の特徴を指摘した。4.Agと同様に、Auの吸着について観察した結果、5×2,【√!3】×【√!3】,6×6 などが見られた。これらの超格子構造とAuの吸着量の関係、6×6構造が形成される下地温度・吸着量などの条件、【√!3】×【√!3】構造が散漫散乱を伴う短範囲規則性をもつ表面超格子構造であることを明らかとした。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] J.Vac.Sci.Technol.A3-3. (1985)
-
[Publications] Surface Sci.164. (1985)
-
[Publications] 物理学会講演予稿集. (1985)
-
[Publications] 日本結晶学会講演予稿集. (1985)
-
[Publications] 日本結晶学会講演予稿集. (1985)Proc.of Material Research Society.