1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59420050
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉野 正敏 筑波大学, 地球, 教授 (60015956)
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Keywords | 時間・空間スケール / 気候現象 / 気象現象 / 乱流 / 過動 / 高低気圧 |
Research Abstract |
今年度の研究成果は次の通りにまとめられる。スモールスケールから大スケールの現象に順に述べる。 (1)茨城県下館市においてヒートアイランド形成に及ぼす熱収支項の効果をそれぞれ観測した。 特に地中坦流束に関する都市内外における分布の測定はユニークなもので、都心部と効外の差を明らかにし、その時本スケールとの関係を明らかにした。 また、 最低気温が高温な区域の広がりとその時間的スケールとの対応も明らかにした。 (2)中規模スケールの現象に関しては、関東東山地球の降電分布を1931年から1980年までについて、まず全部の資料をまとめた。 これから、その寿命時間と分布範囲の大きさとの関係を調べた。 その結果従来知られていた群馬県南東部から関東平野を南東〜東に進むいわゆる電の道の他に、 埼玉県に強風をともなう分布域があり、 寿命時間は比較的短かいが、強くかつ狭い降電区域があることが新しくわかった。 (3)シノプティックスケール(数百ないし2千〜3千km)の次象の解析は目下作業続行中で、 結果をまとめて報告する段階にない。しかし、 気圧配置ごよみを1971〜1980年の10年間についてつくり、 1941〜1970年についてすでに解析してある結果と連結して統計的に研究した結果、各型気圧配置、変型気圧配置、梅雨型気圧配置について長期変動傾向がみられ、またそれぞれの持続日数(時間スケール)についても長期的に変化があることがわかった。 (4)北東球天気図から、高気圧・低気圧の大きさと寿命時間との関係を統計的に解析する作業は現在続行中である。 また、 台風活動と、東部赤道太平洋の海面水温との高い相関があることと関連し、 水温そのものの周期(時間スケールに対応する)の分析を行った。 その結在、2年,5年、などの周期が卓越すると、 および、その位置は東から西へ160°W付近までは移動していることがわかった。
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Research Products
(1 results)