1985 Fiscal Year Annual Research Report
固液二相を有する高選択性材料の合成と機能発現状態における多相構造解析
Project/Area Number |
59430016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瓜生 敏之 東京大学, 生技研, 教授 (80011005)
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Keywords | 多糖グラフト高分子 / 多糖マクロマー / t-ブチルジメチルシリル / 合成高分子グラフト多糖 / NMR / アルキル置換ポリスチレンゲル |
Research Abstract |
機能部位が構造部位に固定された材料においてそれが有効に機能発揮する構造と機構を調べようとしている。抗凝血性多糖を合成し、それを表面に塗布した材料が抗血栓性を発揮するかを予備的に調べた。その結果、短期には作用するが長期的には有効でないことが見出された。そこで合成多糖を表面に生やした高分子材料の合成を試みることにした。t-ブチルジメチルシリル基で2つの水酸基を保護した1,4-無水リボースとアラビノースはよく重合した。シリル化1,4-無水リボースは飽和脂肪酸クロリド-六フッ化リン銀塩コンプレック触媒によって(1→5)-α-フラノース構造のポリマーを生成した。これはポリマー中の酸クロリドと銀塩との反応によってグラフト重合しうる可能性を示している。また、同モノマーはアクリロイルクロリド-六フッ化アンチモン銀塩触媒を使うと、(1→4)-β-ピラノース構造のポリマーを与えた。末端にアクリル基をもつこのマクロマーは重合可能であり、多糖分枝のグラフトポリマーを与える。同グラフトポリマー中のシリル基の脱保護は、テトラブチルアンモニウムフルオライドを用いテトラヒドロフラン中還流して行えたので、次に、硫酸化すれば抗凝血性多糖分枝をもつ高分子材料を作ることが可能となった。多糖からグラフト重合を起して合成高分子グラフト多糖を作った。(1→5)-α-リボフラナンとキシロフラナンにセリウムイオンを作用させることによって生成したラジカルを用いてメタクリル酸メチルを重合させ、グラフトポリマーを合成した。ポリマー構造はNMR,GPCを使用して決定された。クロロメチル化ポリスチレンビーズとアルキルアミンを反応させて、アルキル置換ポリスチレンビーズを調製し、それを液体クロマトグラフィーの静止層に用いてクロマト挙動を調べたところ、長鎖アルチルアミンで修飾したクロロメチル化ポリスチレンゲルは選択性の異なる新しい支持層であった。
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[Publications] Carbohydr.Res.141-1. (1985)
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[Publications] J.Liq.Chromatography. 8-13. (1985)
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[Publications] Macromolecules. 18-4. (1985)
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[Publications] J.Appl.Polym.Sci.30-2. (1985)
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[Publications] Macromolecules. 19-1. (1986)