1985 Fiscal Year Annual Research Report
血液中におけるコレステロールおよびその類縁体の生理病理的意義の究明に関する研究
Project/Area Number |
59430025
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池川 信夫 東京工業大学, 理, 教授 (50016119)
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Keywords | 酸素化ステロール / GC-MS / 微量分析 / 血液 / 血小板 |
Research Abstract |
本研究は酸素化コレステロール誘導体を含む各種コレステロール類縁化合物の血漿中,血管内壁,赤血球,白血球,リンパ球,血小板などにおける生理的意義・病理的意義を明らかにしようとするものであり、本年度は以下のことを明らかにした。 1.ヒト血液の血清について、血清5-10mlを用いて、抽出、ケン化、tlc分離等の操作を経て、酸素化コレステロール類を部分精製し、トリメチルシリルエーテル体として、キャピラリーカラムを用いるGC-MSにより一般的に同定・定量できる方法を見い出した。 2.この方法を用いて動脈硬化に関連した患者から血清について分析を行ない、26-ヒドロキシコレステロール、24-ヒドロキシコレステロール、コレステロール5α、6α-オキシドなどが一般的に含まれていることがわかった。 3.患者によっては、【Δ^(24)】-コレスタノール、ラトステローロなどがある程度の濃度で存在することもわかった。 4.また、ステロール生合成を制御し血液中のコレステロール含量を低下させる目的で、各種15-酸素化ステロールの24,25-ジヒドロラノステロールからコレステロールへのラット肝ホモジネートでの生合成への阻害作用を調べた。この結果、14α-ethylcholest-7-ene-3β,15α-diol,14α-methylcholest-7-ene-3β、15α-diol、lanost-7-ene-3β-15α-diolが特に強い阻害活性を有することが判明した。
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[Publications] J.Biochem.99. (1986)
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[Publications] Chem.Pharm.Bull.34-2. (1986)
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[Publications] Chem.Pharm.Bull.34-2. (1986)