1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59440004
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川島 誠一郎 広島大学, 理, 教授 (20011554)
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Keywords | 成熟 / エイジング / 細胞培養 / ゴナドトロピン受容体 / リポフスチン / 可塑性 / バソプレシン |
Research Abstract |
ラットとマウスを用い、生殖内分泌系を構成する各要素の成熟とエイジングの機構に関する研究を行い、以下の成果を得た。 1.胎生期から性成熟期にかけてみられるFSH受容体量増加が、どのような要因により誘導されるのか調べ、下垂体ホルモンがこの誘導に必要であることがわかった。LH受容体誘導機構を解析するためにセルトリ細胞とライディヒ細胞の分離培養を試み、高純度の細胞分画を得ることに成功した。これを利用して、培養系における受容体の解析を次年度に計画している。その手はじめとして、成体マウス精巣のセルトリ細胞に富む初代培養細胞系を用い、細胞表面のFSH受容体と結合した【^(131)I】-FSHのその後の働きを調べた。放射活性は細胞表面のみならず、細胞質中や分解産物と考えられる培地中のTCA可溶分画にも検出された。リソソーム機能阻害剤の効果から考え、分解はリソソームで起こると思われる。 2.C57BL/6N,C3H/Tw,CD-1の3系統の雌マウスを用い、エイジングに伴う連続発情発来に対するα-トコフェロールの抑制効果を調べた。C57BL/6NとCD-1系では、自発的な連続発情が得られなかったので、CD-1系マウスに出生直後の低用量ステロイドホルモン投与を行い、誘起される遅発性連続発情に対するα-トコフェロールの影響を調べている。しかし明らかな効果は得られなかった。培養神経細胞にα-トコフェロールを添加したところ、リポフスチン蓄積が低下する結果は得ているが、培養系での研究はさらに検討する。 3.視床下部の性分化に対するステロイドホルモンの作用機序を調べるため、ラット脳の視索前野にある性的二型核の体積とそれを構成するニューロン突起の長さを指標にしたところ、エストラジオール-17βに促進効果があった。この個体レベルでの研究結果は、前年度に報告した培養系での研究結果を支持するものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Brain Research. 330. (1985)
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[Publications] Zoological Science. 2-3. (1985)
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[Publications] J.Sci.Hiroshima Univ.,Series B,Division l. 32-1. (1985)
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[Publications] Endocrinology. 117-6. (1985)
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[Publications] Zoological Science. 3-1. (1986)