1985 Fiscal Year Annual Research Report
熟畑化の過程における物質循環とエネルギー収支に関する研究
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59440009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
春原 亘 東大, 農学部, 助教授 (60011954)
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Keywords | 有機物施用 / 土壌の有機物分解速度 / 土壌炭素含有率 / 土壌窒素含有率 / 肥料利用率 |
Research Abstract |
やせた心土を用いて造成した畑を肥沃化するために施用した有機物が、土壌中の炭素および窒素の含有率と作物の生育に及ぼす影響について検討した。有機物として牛糞堆肥を施用する区と、化成肥料を施用する区を組合わせた6処理区を設け、トウモロコシ→ムギ→ダイズ→ムギの2年4作の輪作が2サイクル終了したところで土壌を採取し、全炭素および全窒素を測定した。また、作物体についても乾物重および窒素含有率等の測定を行った。主要な結果は次の通り。 1.土壌の炭素・窒素含有率は、有機物の施用量の増大に伴い、心土区,表土区(対照区)ともに増加した。 2.収穫時における作物体の乾物重は、土壌の炭素・窒素含有率の増加に伴い増大した。 3.残根・落葉量は、一般に心土区より表土区において多かった。 4.有機物の分解速度および土壌の【C!-】【O_2】放出速度は、表土区より心土区において高かった。 5.心土区は表土区に比べ、炭素・窒素の含有率が低かった。なお、孔隙率(液相+気相)は表土区より心土区においてやや高かった。 6.施用した化成肥料に含まれる窒素の作物による利用率は、心土区より表土区で高かった。 7.施用した有機物に含まれる窒素の作物による利用率は10%前後であった。 8.以上の結果からみると、施用した有機物の働きには、肥料としての働きと並用した化学肥料の作物による利用率を高めるという働きの2つがあると考えられた。
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Research Products
(1 results)