1985 Fiscal Year Annual Research Report
諸種血液疾患特に白血病における血液細胞の分化増殖の調節の病態生理学的治療的意義
Project/Area Number |
59440053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高久 史麿 東京大学, 医, 教授 (40048955)
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Keywords | 白血病 / 分化 / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
ヒトの造血細胞を対象として正常ならびに白血病状態における血液細胞の分化と増殖の調節の機序を造血細胞自体の性質ならびに分化や増殖を調節している体液性の因子の両面から検索し、その成果を臨床的に各種の疾患にみられる造血の異常ならびに白血病の病態の解明および治療に応用することを目的として研究を行った。 1.分化誘導物質による白血病細胞の分化 ビタミンA類縁物質のヒト白血病由来細胞株HL60に対する影響をin vitroの培養法ならびに組織化学的方法を用いて検討した。ビタミンA類縁物質にはHL60細胞を分化誘導する作用を有することが形態学的に確認されたが、分化誘導作用はretinoic acidの方が強かった。 2.白血病細胞における癌遺伝子の検索 新鮮ヒト白血病患者の骨髄細胞のDNAを材料として、NIH/3T3細胞を用いる活性化形質転換遺伝子の存在について検索した。その結果、4例の慢性骨髄性白血病のうち2例,1例の急性リンパ性白血病において、活性化N-ras遺伝子が検出された。また、トランスフォーマントよりヒト由来N-ras遺伝子をクローニングし、その活性化部位を解析した結果、N-ras産物の12番目のアミノ酸コドンがGGTからTGTに変化していることが確認された。 3.前白血病状態における癌遺伝子 不応性貧血などを含む前白血病状態の患者骨髄を採取し、NIH/3T3細胞を用いて活性化形質転換遺伝子の存在について検索した。今まで検索した範囲内では、前白血病状態では白血病が顕在化する以前には活性化癌遺伝子は検出されなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Blood. 66:. 1371-1378 (1985)
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[Publications] Int.J.Cell Cloning. 3:. 304-312 (1985)
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[Publications] Exp.Hematol.13:. 597-602 (1985)
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[Publications] Jpn.J.Cancer Res.76:. 796-798 (1985)
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[Publications] Biochem.Biophys.Res.Commun.130:. 257-263 (1985)