1985 Fiscal Year Annual Research Report
腎尿路性器癌の増殖抑制機構のin・vivo-in・vitroにおける定量的解析
Project/Area Number |
59440068
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田崎 寛 慶応義塾大学, 医, 教授 (90051268)
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Keywords | 膀胱癌 / 腎癌 / モノクロナール抗体 / BCG |
Research Abstract |
膀胱癌に対する膀胱注入療法としてBCGが用いられているが、単球マクロファージは抗腫瘍活性を増強するとされていることから、その細胞障害性について定量的解析が可能かどうか検討した。 健常者末梢血単球を分離し、継代培養されているヒト膀胱癌由来樹立細胞株2種類(KU7,T24)に対する単球依存細胞障害活性を【^3H】thymidine(3H-TdR)releasing assayと3H-TdR incorporation inhibition assayを用いて検討した。前者では、放出された3H-TdRが標的細胞に再び取りこまれるため、細胞障害活性が実際より低く測定されることが示された。後者では、単球のcytostafic効果のみならず、cytolytic効果も反映されていると考えられた。 単球をBCGと予め混合培養した際の細胞障害活性の変化について3H-TdR incorporation inhibition assayせ用いて検討した。単球1×【10^6】個あたり7.5×【10^6】Viable unitsのBCGを24時間培養した際に細胞障害活性がKU7では57.5%,T24では42.7%ととも増強された。一方膀胱癌患者単球では、T24に対しては、健常者に比して低い細胞障害性が認められた。また、BCGと混合培養した際には、細胞障活性が、KU7,T24のいずれに対しても増強されたが、その効果は、健常者に比して有意に低いことが示された。(P<0.001) 本法は、増殖抑制機構の定量的解析に有用と思われた。 一方腎癌に対するモノクロナール抗体を作製した。ヒト腎癌及びヒト腎癌細胞株を免疫原としてBALB/cマウスを免疫し、この脾細胞とマウス骨髄腫細胞(SP-2)を細胞融合させモノクロナール抗体産生ハイブリドーマを得た。ヒト腎癌由来細胞株(KU-2)に反応するモノクロナール抗体が得られ、免疫組織化学的検討の結果、腎癌18例中2例、非腫瘍腎6例中1例に陽性であった。
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Research Products
(1 results)