1986 Fiscal Year Annual Research Report
家族性高脂血症のアポ蛋白Bおよび廃の遺伝子DNAに関する研究
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59480198
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Research Institution | University of Kanazawa |
Principal Investigator |
馬渕 宏 金沢大, 医学部, 助教授 (00019960)
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Keywords | 家族性高コレステロール血症 / LDLレセプター / LDLレセプター遺伝子 / 【FH_(TONAMI)】 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
アポ蛋白(Apo)BおよびEは、ともにアポB、Eレセプター(LDLレセプター)に結合する。LDLレセプター(LDLR)の遺伝的異常は、家族性高コレステロール血症(Familial hypercholesterolemia,FH)を発症し、高頻度に冠動脈疾患を合併する。最近LDLR遺伝子がクローン化され、全構造が解明されたので、それをプローブとしてFHのLDLR遺伝子の検討を行った。LDLRのcDNA3′末端側1,9KbのpLDLR-2HHIと、full lengthのpLDLR-3XS1をプローブとして、FHおよび正常者のLDLR遺伝子多型性を検討した。Pvu【II】で切断がおこらないalleleAと、切断がおこるBが認められ、FHと正常者のA,Bの頻度はそれぞれ0,88,0,13と0,92,0,08で両者間に差がなかった。2例(SO,KY)のFH患者で約6Kb短い異常遺伝子断片が見い出された。いくつかの制限酵素により、エクソン15を含む約6Kbの欠損と考えられた。KYの家系11例中6例に高コレステロール血症を認め、これらの全例に異常遺伝子が認められた。一方正コレステロール血症の5例では、このような異常遺伝子は1例も見い出されなかった。SOの家系でも高コレステロール血症を示す2例(MT,CM)で異常遺伝子が見い出された。MT,CMの新生児臍帯血コレテロール(正常59±14mg/dl)はそれぞれ78,51mg/dlであった。MTの新生児は異常遺伝子が認められFHと診断できた。この異常LDLR遺伝子を持つ症例を【FH_(TONAMI)】と命名した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 梶波康二,武田三昭,伊藤英章,酒井泰征,道下一朗,嘉門信雄,坂井健志,若杉隆伸,馬渕宏,竹田亮祐: 動脈硬化. 13. 1353-1356 (1986)
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[Publications] 馬渕宏,伊藤英章,武田三昭,梶波康二,若杉隆伸,竹田亮祐: Theraputic Research. 5. 306-311 (1986)
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[Publications] 梶波康二,馬渕宏: Medical Way. 3. 83-90 (1986)
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[Publications] 梶波康二,武田三昭,伊藤英章,道下一朗,嘉門信雄,酒井泰征,若杉隆伸,馬渕宏,竹田亮祐: 動脈硬化. 14. 485-489 (1986)
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[Publications] Mabuchi,H.,【e!´】t al.: Atherosclerosis. 61. 1-6 (1986)