1985 Fiscal Year Final Research Report Summary
グラファイト及びその層間化合物のポイントコンタクトスペクトル
Project/Area Number |
59540191
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 英行 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80106608)
|
Project Period (FY) |
1984 – 1985
|
Keywords | ポイントコンタクトスペクトル / グラファイト / GIC |
Research Abstract |
1.Gaのスペクトル-測定系の改良を兼ね通常金属中では測定が困難とされてきたGa単結晶でスペクトルの観測を試み、成功した。観測された6つのピークは中性子非弾性散乱により求められたフォノン状態密度のそれと良く対応付られた。又30mVの光学フォノンモードが他のモードに比べ伝導電子との結合が非常に小さいことを見いだした。 2.グラファイトおよびGICのスペクトル- (1)種々のグラファイト(kish,HOPG,grassy carbon等)で測定が成された。微分抵抗のバイアス電圧依存性が通常金属の物と異なり、O-バイアス近傍で最大を持ちバイアス電圧と共に減少することが見いだされた。これはグラファイトではFermi面近傍で電子状態密度のエネルギー依存性が急であるためとして解釈された。抵抗の大きなコンタクトでは中性子散乱より求められたフォノン状態密度のピークに対応する2つのピークが数10mVの範囲に見いだされた。抵抗の小さいコンタクトでは2階微分信号に鋭い谷を見いだした。磁場依存性、ド.ハース シュブニコフ振動が観測される等グラファイト特有の現象であるが、更に詳しく調べる必要がある。 (2)SbCl_5、AsF_5-GICで測定が成された。電子-フォノン相互作用に関する情報を得る為に、非常に微妙な接触のコンタクトで測定を繰り返した所、グラファイトと類似の結果が得られた。GICの表面からは化合物が逃げだしているという光測定の報告もあり検討の必要がある。 3.heterocontactのスペクトル-異種間コンタクトスペクトルに関し、Baranger等により理論的予言が成されたが、これをAl/ln系で検証することに成功した。 4.広く稀土類化合物、特にCe金属間化合物に適用され、それらの熱電能測定と共に興味ある結果を与えた。5.新しい手法の開発という立場から、2接点方(Transverse Electron Focusing)の信号の電流依存性を測定することを試み、Alにおいて特有の軌道上の電子とフォノンの相互作用を見ることに成功した。
|
Research Products
(10 results)
-
[Publications] 佐藤 英行: Solid State Commun. 56. 141-144 (1985)
-
[Publications] 佐藤 英行: J. MAG. MAG. MAT.52. 357-359 (1985)
-
[Publications] 大貫 惇睦: J. PHYS. SOC. JAPAN. 54. 2804-2807 (1985)
-
[Publications] 佐藤 英行: J. PHYS. SOS. JAPAN. 55. 3295-3298 (1986)
-
[Publications] 佐藤 英行: J.PHYS.SOC.JAPAN. 55. 2471-2472 (1986)
-
[Publications] 佐藤 英行: J. PHYS. F:MET. PHYS.16. 2053-2062 (1986)
-
[Publications] 佐藤 英行: PHYS.REV.B. 35. 2484-2486 (1987)
-
[Publications] 佐藤 英行: PHYS. REV. B. 36. 8841-8844 (1987)
-
[Publications] 佐藤 英行: J. Phys. Soc. Japan.
-
[Publications] 佐藤 英行: J. Phys. F; Met. Phs.