1986 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚アミロイドーシスにおけるアミロイド前駆蛋白の研究
Project/Area Number |
59570416
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森 俊二 岐大, 医学部, 教授 (70010189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清島 真理子 岐阜大学, 医学部, 助手 (00171314)
米田 和史 岐阜大学, 医学部, 助手 (80126763)
柳原 誠 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90021493)
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Keywords | 皮膚アミロイドーシス / アミロイドAD / 抗ケラチン抗体 / ナフトールAS |
Research Abstract |
皮膚アミロイドーシスにおいて沈着するアミロイドADの前駆蛋白と形成機序を知るために前年度に引続き以下の検索を行なった。 1)アミロイド苔癬(LA)および斑状アミロイドーシス(MA)の表皮細胞内に特異的に見出される細胞質内均質小体(IHB)について100例の組織学的検討を加えた。その結果IHBはLA+MAでは81.4%,MAでは40.3%に陽性で基底層を除く各層に見られた。電顕的に膜に囲まれない、10-20mmのA線維と50-80mmのB線維よりなり、抗ケラチン抗体(DAKO)による染色は陰性であった。 2)アミロイドADについて免疫組織学的にモノクロナール抗ケラチン抗体のABC法によって4例のパラフィン標本を検討した。抗体はEAB-903(57KD,66KDケラチンと反応),EAB-904(66KD),MAK-6(45,52,40,48,50KD)およびPKK-3(45KD)を用いた。その結果アミロイドADと反応したのはEAB-903のみであり、この抗体は表皮全層,汗線,汗管および毛包上皮とも反応した。 3)原発性と考えられているMAに近似の病変がナイロンタオル摩擦やネル地染料に含まれるナフトールAS接触皮膚炎によって惹起されることが最近になって明らかになり、接触刺激とアミロイド沈着との関係が問題化している。この点を追求するためLAとMAにおけるランゲルハンス細胞の変化を10例について電顕模索した結果、アミロイド沈着部を覆う表皮内のランゲルハンス細胞には分裂像が見られ、またメラニン顆粒を貧喰しているものが観察された。 4)ナフトールAS接触皮膚炎がアミロイド沈着の動物モデルになり得ると考えられるので、CH3/HeNCrj系6週令マウスを用いてナフトールASアセトン溶液を抗原として種々の条件にて感作実験を行なったが不成立の結果に終った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 柳原誠: 検査と技術. 14. 337-340 (1986)
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[Publications] 柳原誠: 下呂病院年報. 13. 36-40 (1986)
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[Publications] Mori,S.: European J.Cell Biol.(1987)
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[Publications] 森俊二: "皮膚免疫組織アトラス" 南江堂, 164 (1986)
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[Publications] 森俊二: "アミロイドーシス-皮膚と全身-" 名古屋大学出版会, 277 (1987)