1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59810001
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Research Institution | Tokyo National Research Insitutute of Cultural Properties |
Principal Investigator |
鈴木 友也 東文化財研, その他, その他 (50150040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門倉 武夫 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (10000457)
見城 敏子 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 室長 (90000455)
増田 勝彦 東京国立文化財研究所, 修復技術部, 室長 (40099924)
樋口 清治 東京国立文化財研究所, 修復技術部, 室長 (00088791)
江本 義理 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 部長 (40000442)
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Keywords | 彩色文化財 / 斜光線照明装置 / 剥落止め / 彩色の劣化 / 層状剥離 / 膠の固定 / 彩色の耐久性 / 顔料の同定 |
Research Abstract |
(1)文化財の彩色顔料は接着力の劣化により、粉状と層状剥離に大別され、その剥落止めには各種接着剤が用いられてきたが、その定性的な効果は不明な点が多い。樹脂濃度と接着力との関連による各種接着剤の特性を検討し、手板を作成して、その濃度,塗布量,粘度,浸透性など相関関係を考察した。その結果粉状剥落顔料には色差の少い「ふのり」は有効性があるが、耐候性耐久性に弱いので応急的処置に適し、アクリルエマルションは耐久性が優れているため、建造物関係の応用に適し、パラロイドB72の場合は溶剤の選択により相異が大なることが判明した。 (2)京都智積院の障壁画は昭和45年に収蔵庫を新設して収納しているが、顔料の剥落が進行しており、その原因を調査した。これは公開による環境変化と、内外空気調節の影響が大きいためで、庫内の内装剥れや釘錆が目立っている。扉の開閉と前室設置により外気の影響を減少する必要があると思われた。
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