1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59840004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉岡 正和 東京大学, 原核研, 助手 (50107463)
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Keywords | 超高電界 / 加速 / ライナック |
Research Abstract |
(1)昨年度製作したS-バンドディスクローデッド型加速管の、低電力試験を行った。これは、二箇の高周波結合セルと、3箇の加速セルより構成され、KEK放射光のレゾナントリングで、100MV/mの加速電界強度を得る事を目標にしたものである。低電力試験の結果、結合セルのパラメータを若干変更する必要がある事が判明したので現在、メーカーで手直しをしている。来年度は大電力試験が可能となる。 (2)DISK AND WASHER型や、ジャングルジム型は、計算機を用いたパラメータサーチの計算や、低電力試験用のテスト加速管を製作し、研究を行った。その結果、これらのタイプでは、大電流を加速するのにはむいていない事が判明した。即ちビーム進行方向と直角な向に電場の発生するモードが、本来の加速に必要なモードとミキシングを起したり、ビームの誘起する縦方向のウェークフィールドにより、ビームのエミッタンスが増大したりする。結局、(1)の型の加速管を大電流高電界用に最適化し、加速管のアライメントや、収速系に注意を払う事で、大電流を高電界で加速できる見通しがついた。ただし、そのためには、数100メガワット以上のピーク出力を持つパルスマイクロ波源が不可欠である事も明らかとなった。 (3)以上の事から、加速管の開発とともに、新しいタイプのパルスマイクロ波源レーザートロンの開発にも着手した。現在、モードロツクレーザー、フォトカソード、高電圧電源等の装置を製作し、それぞれの部分試験を行っているところである。 (4)高電圧を印加した時に電子放出、二次電子放出あるいは、放電等の問題が生じるが、これらの現象を系統的に調べ、高電界発生に適した材料の選択や、表面処理技術を確立する事を目的とした、テストベンチの製作にとりかかっており、次年度には実験が開始できる見通しである。
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