1985 Fiscal Year Annual Research Report
低温用NMRインサート・モジュールの試作とピロリジン環のステレオダイナミックス
Project/Area Number |
59840011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 敬人 東京大学, 教養, 教授 (80012384)
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Keywords | 動的NMR / 分子力学計算 / 窒素の反転 / 6員環の反転 / インドリジジン |
Research Abstract |
本年度においては、発注したインサートモジュールを用いて、測定を開始することが出来た。又、関連した諸準備もかなり進行した。 (1)NMRスペクトルのフロッピーディスク上のデータをフロッピーからそのまま大型計算機に読ませるための変換プログラムを作製した。これによって、例えば、FX-90Qでの温度変化NMRスペクトルをそのままDNMR3プログラムに送り込むことができる。このプログラムは、将来DNMR5プログラムを利用する場合に特に便利であろう。 (2)2、3のインドリジジン誘導体のH-1NMRスペクトルを低温で測定した。しかし、シグナルの重なりが著しいため、スペクトルの簡単化を重水素化によって実現することにし、2、3のインドリジジンのD化物の合成を開始した。 (3)問題の低温の限界であるが、現在の所、-140℃程度が得られた最低温度である。アダプター部での温度の損失は余り大きくないのでおそらくこの温度が限界ではないかと思われる。しかし、実はもっと面倒な問題が必然的に起こってくる。それは、温度の低下にともなうロックシグナルの広幅化である。凝固のおそれがあるため、用いうる溶媒系には制約があり、フレオンに重塩化メチレン等を加える方法が必要である。しかし、-120℃位から広幅化が起こり、ロックが効かなくなる。この困難はある程度予想されていたので、別途外部ロックユニットを購入して測定してみた。一応の結果は得られるが、やはりロックが甘くなるのは避けられない。 (4)分子力学計算(MM)は、これまで大型計算機センターとTSSでつないで行ったが、これをoff-lineで、即ちパソコンで走らせるようにプログラムの改良を行い、成功した。これは研究の省力化に大きく貢献した。
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Research Products
(1 results)