1986 Fiscal Year Annual Research Report
メスバウアー分光法における時間分解分析法の開発と応用
Project/Area Number |
59840018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 豊 京大, 原子炉実験, 助教授 (90027425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 真人 京都大学, 原子炉実験所, 教務職員 (00101238)
藁科 哲男 京都大学, 原子炉実験所, 教務職員 (80089135)
上原 進一 京都大学, 原子炉実験所, 教務職員 (60115798)
酒井 浩 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00027468)
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Keywords | メスバウアー分光法 / 時間分解スペクトル / マイクロコンピューター / 磁性流体 |
Research Abstract |
電子捕獲などの核壊変に伴う化学的後遺効果やその緩和過程は、時間遅延同時計数法によるメスバウアー効果で研究される。また、光・放射線などの照射によって生成される準安定状態の研究もメスバウアー分光法で行なわれるようになってきた。磁性体や誘電体における秩序過程の研究、ガラス・結晶転移の研究,超微粒子・薄膜・表面の研究にもメスバウアー効果が利用されているが、動的解析が可能になれば研究の飛躍的な進展が期待される。本研究においては、時間分解に適したマルチパラメーター・メスバウアー分光法の確立とその応用を主眼とした。 1.時間分解メスバウアー分析器の試作 通常のメスバウアー分光法では、データ集積に1次元マルチチヤネル分析器を使用するが、現象の時間変化を観測できない。本研究では、マイコンを事象処理装置とするマルチパラメーター・メスバウアー分光器を試作開発してきた。本装置では、エネルギー変調器のドップラー速度と時間、或いは磁場,湿度などの物理量を事象パラメーターとして透過検出ガンマ線を記録・蓄積し、のちにリスト処理してマルチ・パラメーター・スペクトルを得る。本年度は、分析器への各種パラメーターの取込みインタフェイスの設計・製作およびソフトウェアの整備を行い、試験の結果、メスバウアー分光におけるマルチパラメーター解析が容易に行なえることが分った。 2.時間分解分析法の応用 動的解析が望まれるメスバウアー測定の一つとして、磁性超微子の研究がある。工業的にも広く利用されている磁性流体は、マグネタイト超微粒子を液体に浮遊させたものである。 溶液における微粒子の動的運動、超常磁性は磁場・温度などを動的に変化させて追跡することが有力で、試作装置で研究に着手し、明るい見通しを得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Manabu Mizota: Hyperfine Interactions. 29. 1423-1426 (1986)
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[Publications] Hiroshi Sakai: Bull,Chem,Soc,Jrn,. 59. 3417-3421 (1986)