1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59850012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 賢一 東京大学, 工, 助教授 (40010798)
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Keywords | 位置敏感検出器 / 半導体検出器 / アモルファス半導体 / X線検出器 |
Research Abstract |
今年度は、ファクシミリ用に開発されたアモルファス・シリコン・イメージセンサを用いて、X線用の一次元位置敏感半導体検出システムの開発を行った。このセンサは、従来の単結晶シリコンのものと較べ、大型でかつ暗電流が少ないと云う特長を持っている。 使用したFUJI XEROXのセンサは、100μm×100μmのフォトダイオードが125μmピッチで2048個並んでおり、全長256mmである。センサには電圧検出方式の増幅器とアナログスイッチが128chごとにLSI化され配置されている。 本研究では、上記検出部からの電圧信号を処理する為の増幅器,ADC,メモリ,DAC,そしてコントローラより成るシステムを製作し、パーソナルコンピュータで制御した。 8KeVのX線に対する特性は次のようであった。【◯!1】出力-入射強度特性は少なくとも3桁にわたり比例性がある。【◯!2】出力-積分時間特性は少なくとも2桁にわたり比例性がある。【◯!3】位置分解能はピッチに相当する125μmが確認された。また検出感度については、測定条件を積分時間1秒×加算回数100回とした場合、ノイズレベルは0.39mVであったので約300光子/秒/chであった。センサの暗電流を積分時間を変えて測定した結果、0.18pAであり、1秒を越えると、その影響が顕著になってくることがわかった。 フォトダイオードは1μmと薄い為に、8KeVのX線に対する検出効率は1%以下と低い。そこで、吸収係数が大きく、センサに合った発光スペクトルを持つ蛍光体として【Gd_2】【O_2】Sを選び、センサに密着させて検出効率の向上を図った。蛍光体はポリエステルのベース上に塗られているが、この状態で効率は8倍増大した。 このシステムを放射光施設でX線回折実験に利用し、その結果を含めて、欧文誌に投稿する予定である。
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Research Products
(1 results)