1986 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス工具を用いた耐熱金属の鍛造方法に関する研究
Project/Area Number |
59850029
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小坂田 宏造 広島大, 工学部, 教授 (50031109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖本 邦郎 通産省工業技術院九州工業技術試験所, 機械金属部, 主任研究員 (30268487)
久保 勝司 通産省工業技術院名古屋工業技術試験所, 機械部, 課長
松野 建一 通産省工業技術院機械技術研究所, 材料工学部, 部長
関口 秀夫 奈良工業高等専門学校, 助教授 (80043462)
森 謙一郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (80127167)
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Keywords | セラミックス / 自由鍛造 / 剛塑性有限要素法 / シミュレーション / チタニウム合金 / 潤滑剤 / 摩擦特性 |
Research Abstract |
前年度の研究で、極めて低い摩擦特性を示すことが確認された新しい等温鍛造用潤滑剤ほう酸・BN混合潤滑剤は、チタニウム合金との摩擦に関しては、【Al_2】【O_3】,SiC,【Si_3】【N_4】いずれのセラミックス工具に対しても潤滑剤中のBNの含有率が20〜30%程度で極めて低い摩擦を示すことがわかった。特に、【Al_2】【O_3】工具の場合には、BNの含有率がほぼ10〜60%の範囲で、従来から等温鍛造においてよく用いられているガラス系潤滑剤に比べて低い摩擦特性を示した。しかし、この潤滑剤は圧下速度と鍛造温度によって摩擦特性が異なり、圧下速度は速い方が低い摩擦特性を示すこと、良好な摩擦特性を示す鍛造温度域があり鍛造温度が高過ぎる場合には摩擦は上昇することが分った。 以上ように、ほう酸とBNの混合潤滑剤は、チタニウム合金に対して極めて有効に作用し、ガラス系潤滑剤に取って換わるものとして期待される。しかし、鍛造温度が高い領域(920゜C程度)で摩擦特性が悪化するという結果が得られており、さらに高い温度で鍛造するニッケル基合金への適用の可能性については今後さらに検討を加えて行く必要がある。 前年度開発したコンピュータにより動きを制御したプレスを用いてプラスティシンをディスク状に成形する実験を行った結果、仕上がり形状は加工方法など加工条件に影響されること、工具歯の形状が鍛造面を良好に仕上げるための重要な要因であることが分った。そこで、最適な工具歯の形状について剛塑性有限要素法を用いた数値シミュレーション結果と鍛造実験結果から検討を加え、工具の角部に丸みを持たすことによって良好な鍛造面を得られることを明らかにした。昭和59年度から昭和61年度までの研究の総括を行い、セラミックス工具を用いた自由鍛造システムの耐熱金属の加工への適用の可能性を明らかにした。
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[Publications] 中村守: 窯業協会誌. 94. 683-688 (1986)
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[Publications] 中村守: 精密工学会誌. 53. 117-123 (1987)
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[Publications] 沖本邦郎: 日中超塑性シンポジウム論文集. 75-77 (1986)
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[Publications] 佐藤富雄: 九州工業技術試験所報告. 2363-2369 (1986)