1985 Fiscal Year Annual Research Report
真空紫外光励起化学反応による半導体表面清浄化プロセスの開発
Project/Area Number |
59850052
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
広瀬 全孝 広島大学, 工, 教授 (10034406)
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Keywords | 光励起クリーニング / 真空紫外光 / 光化学反応 |
Research Abstract |
本年度の研究計画は、光化学反応によって清浄化されたSi及びGaAs表面の状態を評価し、その結果に基づいて、表面光化学反応過程の最適制御の指針を得ることであった。Arガスの強力放電により得られる真空紫外光に関しては、パワーが小さく問題であるが現在、光強度の増強法を検討中である。この光源に代わってArFエキシマレーザ光(波長193nm)を【NF_3】ガス中のSi基板上に照射することにより、表面酸化膜を除去できることを見出した。既存のX線光電子分光装置を用いて、表面の化学結合状態をその場分析することにより光化学反応素過程を明らかにした。その結果、Si表面の酸化物除去は【NF_3】ガスの光化学分解によって生じたN及びFラジカルがSi【O_2】と反応し、Si【F_4】,【NO_2】【N_2】Oのような揮発性物質が生じることによって行われることがわかっている。【NF_3】ガスに【H_2】ガスを添加することによりSi酸化膜のエッチング速度が制御可能なことを明らかにし、その際に生じる堆積現象を利用しSi【O_2】の異方性エッチングを実現し、Si表面処理の制御性を高めた。GaAsについては、HO1+He混合ガス中で光照射することにより、GaAsの酸化物及びGaAsをエッチングできることを見出し、基板温度 200℃で処理した場合、反応生成物による汚染のない清浄な表面が得られることをX線光電子分光により、明らかにした。エッチング後のGaAs表面の結晶性に関しては、フォトルミネッセンスによる評価を行った。光化学反応を用いたエッチングにより得られた表面では、従来の表面処理技術であるウェットエッチング、反応性イオンエッチングに比べて10倍以上強い発光が得られ、最も欠陥が少ないことが見出された。またAu/GaAsショットキ接合の特性からもGaAsの表面の清浄化が確認された。従ってGaAs表面の清浄化が達成できる見通しが得られた。なお、反射型電子線回折装置は、半導体表面清浄化を直接、回折パターンとして確認するために購入し有効性を確認した。
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[Publications] Applied Physics Letters. 47-5. (1985)
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[Publications] Proceeding of the 7th Symposium on Dry Processes. (1985)
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[Publications] Journal of Vacuum Science Technology. (1985)
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[Publications] Proceeding of 12th International Symposium on GaAs and Related Compounds. 3-5. (1985)