1985 Fiscal Year Annual Research Report
水生植物による水質浄化およびその利用システムに関する研究
Project/Area Number |
59850095
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
八木 正一 岡山大学, 農研, 教授 (30157961)
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Keywords | ホテイアオイ / 生長速度 / 収穫管理 / 水質浄化 / 栄養価 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、次の3つの課題について研究を行った。 1)自然水路におけるホテイアオイの生長特性と水質浄化能 生活排水の流入する、巾2m全長250mの農業用排水路において、10区画の実験区を設定し、ホテイアオイを管理栽培した。実験期間は4月から10月末までの7ヶ月間である。実験期間中の平均水質はCOD約6mg/l,BOD約4mg/l,T-N約2mg/l,T-P約0.6mg/lで、かんがい期には農業用水の導入があるため、水質濃度は低下した。上流から下流への濃度減少はSSや、SS性のBODやN,Pの濃度減少がみられたが、溶存成分のNやPは濃度的には著しい減少がみられなかった。 ホテイアオイの栽培密度は、昨年は10Kg-F・W/【m^2】以下の低密度で実験を行ったが、今年は5〜20Kg-F・W/【m^2】の高密度栽培を行った。収穫間隔は同一栽培密度に対して、それぞれ2週間と4週間の2通りについて行った。一区については収穫を行わない放置栽培を行ったところ最大40Kg-F・W/【m^2】まで増加した。収穫間隔と栽培密度による期間中の全収穫量は、間隔が短い区、高密度区程多くなると期待されたが、収穫時のホテイアオイの損傷のために、5〜10Kg-F・W/【m^2】区で一番多い結果となった。 2)人工水路におけるホテイアオイの生長と栄養塩吸収 温室内に巾50cm、長さ6mの水路を設置して栽培液を一定速度で流し、栽培密度や栽培液中の栄養塩濃度を変化させ、ホテイアオイの生育や生体中各成分の含有量の変化を測定した。ホテイアオイの生長速度および生体中の含有量は栽培密度の低い区ほど高かったが、ホテイアオイの増加量は栽培密度の高い区の方が多かった。生体中各成分の含有量は栽培液中の濃度によって少し変化したが、生育には影響がなかった。 3)ホテイアオイの飼料作物としての栄養価に関する評価 新鮮重で約50Kgのホテイアオイを乾燥し、ペレット状に成型して牛の餌糧とした。これの肥効試験は来年度に行う予定である。
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