1986 Fiscal Year Annual Research Report
水性植物による水質浄化およびその利用システムに関する研究
Project/Area Number |
59850095
|
Research Institution | Institute for Agricultural and Biological Science, Okayama University |
Principal Investigator |
八木 正一 岡山大, 農学研究所, 教授 (30157961)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 仙二 岡山大学, 農学部, 教授 (80032986)
村本 茂樹 岡山大学, 農業生物研究所, 助手 (50033121)
青山 勲 岡山大学, 農業生物研究所, 助教授 (10026239)
|
Keywords | ホテイアオイ / 水質浄化 / 生長速度 / 収穫管理 / 栄養塩吸収 / 飼料利用 |
Research Abstract |
水生植物ホテイアオイを利用した水質浄化能を知り、設計指針を知るとともに、その利用システムの一環として飼料としての利用可能性を検討した。 1.自然水路におけるホテイアオイの生長特性と水質浄化能、-水路の底部に、有機性汚濁物質の除去を計るために接触板を設置した。ホテイアオイの生長特性は日射量に依存するので、各実験区においいて、同一時期における栽培密度による生長特性と、期間中を3期に分け、各期における生長特性の差異を検討した。ホテイアオイによる水質浄化能はトータルとしてのホテイアオイの収穫量に依存する。この点から評価すると、栽培密度が低いと現存量が少なく、又逆の場合には生長量が減少することが明らかになった。過去3年間の研究結果から、収穫量を最大にする栽培密度は収穫間隔にも依存するが、月2回の時10〜15kg【m^2】で管理するのが望ましいという結果が得られた。 2.水工水路におけるホテイアオイの生長と栄養塩吸収--ホテイアオイの栽培密度を1.5,3.0,6.0kg/【m^2】の3実験区を設け、栄養塩濃度を約1ケ月毎に変えた。栄養塩の吸収量はN,P,K及びMg,Naについて分析した。N,Pは葉,茎,ストロンの部位が高く、根部は低かった。Kは茎、ストモンの部位の濃度が高かった。Mg,Naは時間の経過とともに増加する傾向がみられ、生体中へのこれらの元素の濃縮はN,P,Kの濃縮との相関性が示唆された。 3.ホテイアオイの飼料利用に関する研究-ホテイアオイは比較的高蛋白質・低繊維粗飼料としての飼料的特性を有することがわかった。一方高水分、低糖質であり、サイレージ処理する場合、易発酵性炭水化物に富む物質、例えば糖ミツ等を添加することにより、飼料としての有効性が高まることが判明した。しかし、乳酸菌添加剤やギ酸などの添加によっては、一般の草類に見られるような品質改善効果は得られなかった。乾草にする場合、日乾に長時間要するので養分損失が起った。
|
-
[Publications] 青山勲: ホテイアオイ研究会 NEWS 1ETTER. 7. 2-6 (1986)
-
[Publications] 青山勲: 日本水処理生物学会誌. 5. 24-25 (1985)
-
[Publications] Isao Aoyama: Berichte. 19. 77-89 (1986)