1985 Fiscal Year Annual Research Report
床及び屋根に立体トラスを用い,任意の増改築を可能にする構法の開発に関する研究
Project/Area Number |
59850099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 祥哉 東京大学, 工, 教授 (40010665)
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Keywords | 立体トラス / スペースフレーム / 増改築 |
Research Abstract |
従来のトラス構造物、特に立体トラスのように、弦材にパイプを用いボールジョイントにより構成されるトラス構造物は構造計算の際ジョイント部をピン支点として置き換え計算している。しかしながら、実際の接合部はある大きさをもったボールにボルトを介してパイプと接合されており、弦材またはボールに曲げモーメントが働くと、この力は他の部材に影響を与える。例えば、立体トラスに屋根を架ける場合はボール上に2次部材を渡しその上に屋根材を葺くことになりボールにある程度の曲げモーメントが働いている。このように従来の立体トラス架構は計算上(理論上)では接合点にはモーメントがかからず弦材にかかる応力は軸力のみであるとしてきた。だが、本研究では、そのテーマである床架構として立体トラスを用いることや、柱の取り付け取り外しが自由なシステムという点から弦材やボールに曲げ力をかけることが必要条件となった。それにより、柱を水平支持材で固定しキャンチレバーの柱にする形式や、床や屋根に2次部材を用いず、直接上弦材にパネル等を敷くシステムを開発した。次に、これらのシステムの可能性を実証するために強度実験を行なった。これはボールに曲げモーメントが生じた時に周囲のボルトやパイプにどのような影響を与えるか、また、パイプ=ボルト=ボールが一体となった時のボルトの曲げ強度の測定が目的である。 一方、柱をブレース形式とし、屋根-柱-床を一体のトラス架構としたシステムを開発し、実際に事務所・工場・研究所の平面計画を行ない、それらのプランに従い柱を配置し、大型計算機を用いて構造解析を行ない柱の配置計画における指針を得た。 以上の過程を踏まえてサブシステムの設計を行ない立体トラスを用いた従来にないフレキシビリティのある構法の開発を行なった。
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