1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59850102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八嶋 三郎 東北大学, 選鉱研, 教授 (90006966)
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Keywords | 粉砕 / 粉砕効率 / 単粒子破砕 / 粉砕媒体の運動エネルギー |
Research Abstract |
(1)ボールの運動エネルギー測定結果 実験室用ボールミルの側壁に荷重センサーを組み込み、ボールのミル壁面への衝突によって生じる荷重を測定して、その結果からミル内のボールの運動エネルギーを推定した。同時にミルへのエネルギー投入量を測定して、ミルに入力したエネルギーのボールの運動エネルギーへの転換効率を求めた。その結果、実験の範囲ではボール充てん率が大となるほどボールの運動エネルギーおよび転換効率が増大した。また、ボール径の影響は明確ではないが、ボール径が大となるほど運動エネルギーおよび転換効率が増大する傾向が見られた。 (2)モデル計算結果 単粒子破砕実験の結果とボールの運動エネルギー測定結果を結びつけて、ボールミルの粉砕過程を説明するために、ボールとミル壁面の間に挟まれた単一層の粒子が荷重を受けるモデルを基礎にして、粒子が荷重を受ける確率と荷重を受けた粒子が破砕される確率を考慮し、ボールミルの粉砕過程を解析した。石英についてのモデル計算結果は、ボール充てん率が0.32までの範囲では充てん率が大となるほど比破砕速度と粉砕効率が増大することがわかった。また、ボール径の影響については明確ではないが、計算を行った粒径の範囲ではボール径が大となるほど比破砕速度が増大し、粉砕効率が低下する傾向にあることがわかった。 (3)粉砕実験結果 石英試料を用いてボールミル粉砕実験を行い、比破砕速度(=選択パラメータ)を測定してその粒径依存性を求め、モデル計算結果と比較した。その結果、実験結果と計算結果は傾向および比破砕速度の値のオーダーは一致するものの、粒径の小さい領域ではその差が大となる傾向が見られた。今後はこの原因について検討を行いたい。また、閉回路粉砕については計算機シミュレーションを中心に実験を進めてゆきたい。
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