1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59850108
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大森 康男 東北大, 選鉱製錬研究所, 教授 (20006026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 文雄 新日本製鉄(株), 釜石製鉄所製銑技術, 室長
肥田 行博 新日本製鉄(株), 第3技術研究所日吉分室, 課長研究員
佐々木 稔 新日本製鉄(株), 第3技術研究所日吉分室, 副部長
葛西 栄輝 東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (50134044)
八木 順一郎 東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (20006050)
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Keywords | 焼結プロセス / 窒素酸化物 / 【NO_X】 / 【SO_X】 / 焼結シミュレーター / 賦存状態 / 石灰石 / アルミナ / ヘマタイト / コークス / 微粉 / 擬似粒子 / 燃焼速度 / 硫酸カルシウム |
Research Abstract |
焼結プロセスから発生する窒素酸化物(【NO_X】)は、環境問題上、その低減が強く望まれている。そのため、実機焼結機における【NO_X】生成メカニズムを解明するために、焼結シミュレーターにより、コークスと鉱石による賦存状態の異なるモデル擬似粒子を使用し、空気組成割合の【N_2】-【O_2】混合ガス気流中で反応を進行させた場合の排ガス中の【CO_2】,CO,【SO_2】,【NO_X】の分析を赤外吸光分析計により連続測定した。これらの試料の賦存状態を分類すると次のようになる。S':コークスの粒子のみ、S'-B:コークス粒子を核とし、その周囲にアルミナ微粉層を殻としたもの、P:アルミナとコークス微粉の混合物、SO:コークス粒子を核とし、その周囲に石灰石とヘマタイトの混合微粉を殻としたもの、PO:微粉状石灰石,ヘマタイトおよびコークスの混合物。 実験温度は850℃と1050℃の2水準を選択した。いずれの場合も低温のほうが【NO_X】発生速度は大きく、これは温度が低い程【CO_2】の濃度が高く、これが【N_2】の酸化に寄与するためと考えられる。各賦存状態ごとに【NO_X】生成速度を比較すると、石灰石を含まないS',S,Pでは、Pが最大でSが最小である。微粉混合物すなわちP,POでは、POが少ない。この場合、シミュレーションの結果では、公害規制の基準値250PPmを大巾に下回る。同様に2層状態すなわちSとSOでは、SOのほうが小さい。またSOとPOでは、1050℃で【NO_X】発生量が極端に低下する。これは、石灰石とコークス中の硫黄の酸化による【SO_2】が反応し、その結果生成する硫酸カルシウムの触媒作用によりN【O_X】が低減したと推定される。【NO_X】の生成速度は、コークスの燃焼速度および粒子内温度と密接に関係し、換言すればこれは外殻中のガス拡散と熱伝達の問題に帰着するので、燃焼実験結果を考慮した【NO_X】生成を推定するための数式モデルを作成中である。
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