1985 Fiscal Year Annual Research Report
クロム鉱石粉末の溶鉄中への吹込みによる溶融還元法の開発
Project/Area Number |
59850109
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
川上 正博 豊橋技術科学大学, 工, 助教授 (30016597)
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Keywords | クロム鉱石 / 粉体吹込み / 溶融還元 / 反応機構 / 還元速度 / 溶融スラグ |
Research Abstract |
1.30kg溶解炉を用いた鉱石粉末の底吹き実験 予め脱珪処理した製鋼用銑20kgを高周波誘導炉で溶解し、南ア産クロム鉱石を底部ノズルより吹込み、溶鉄中の炭素による還元を行った。鉱石粉末の粒径と供給速度,温度,ガス流量を変えて実験を行い、各々の還元速度とクロム回収率におよぼす影響を調べた。また、鉱石粉末の上置きと底吹きの比較より、溶鉄中に分散した鉱石粉末の還元速度を評価し、上記実験条件の影響を明らかにした。 (1)還元速度は、粉末供給速度と温度の増加とともに増大し、粉末粒径の増加とともに減少した。ガス流量の影響は小さかった。 (2)クロム回収率は、高温程大きく、粉末の粒径と供給速度の増加とともに減少した。ガス流量の影響は小さかった。 (3)溶鉄中に分散した鉱石粉末の還元速度は、粉末粒径の-1/2乗に比例して減少し、供給速度の2/3乗に比例して増加した。また、還元速度は高温程大きく、見掛けの活性化エネルギーは約40Kcal/molであった。ガス流量はほとんと影響をおよぼさなかった。 (4)実験中の脈石中のシリカの還元挙動より、クロム鉱石の還元の律速段階は溶鉄中の酸素の移動であると結論した。 2.クロム鉱石のスラグ中への溶解と還元に関する実験 クロム鉱石と黒鉛粉末を混合してAr気流中で加熱し、排ガス中のCOと【CO_2】量をガスクロマトグラフにより測定した。その結果、還元は900℃より始まり、また、CaOを添加すると、低温での還元が促進されることがわかった。また、黒鉛ルツボ中に鉄を溶かし、その上に、鉱石とスラグを添加し、溶鉄中へのクロムの回収速度を調べた。その結果、クロム回収反応は、主に、溶鉄-スラグ界面で進行し、その速度は0次反応式で表わせることがわかった。したがって、この反応の律速段階は、鉱石のスラグ中への溶解過程であると結論した。
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Research Products
(1 results)