1985 Fiscal Year Annual Research Report
高マンガン-高アルミニウム鋼のステンレス化に関する研究
Project/Area Number |
59850118
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
草川 隆次 早稲田大学, 理工, 教授 (90063114)
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Keywords | Mn-Al鋼 / 室温・低温機械的性質 / 耐酸化性 / 耐高温腐食性 / イオン窒化 |
Research Abstract |
2〜40%Mn-0〜10%Al鋼の諸特性におよぼすCとSiの影響を明らかにし、併せてあらたに表面改質を目的としたイオン窒化をおこなった。得られた成果は次のとおりである。 1)機械的性質:20〜40%Mn-2〜4%Al鋼は、室温においてSUS304とほぼ同等の性質を示じたが、液体窒素温度では30%Mn-2〜4%Al鋼は$$J_(0.2)ヶ350MPa,$$J_B$$=750MPa,t・εl=85%,Ev=250J・$$cm^(-1)$$で低温材料として極めで有望であることが確認され、また本鋼のかかる特性はこの組成域において変形双晶の生成が著しく、これが均一変形を容易にするためであることを明らかにした。 C,Siはともに固溶硬化を誘起し、前記組成に0.2%C,0.5%Siを添加した鋼はt・εl=70%で【J_(0.2)】=665MPa,【J_B】=1100MPa,Ev=150J【cm^(-1)】であることが判った。 2)耐酸化性:低Mn,高Alほど酸化減量が少なく、20%Hn-8%Al鋼はsus304に準ずることを示したが、γ単相の成分系では30%Mn-10%Al鋼が良い耐酸化性を示したものの304には劣る結果がえられた。γ相を保つようCを高めSiを添加して耐酸化性におよぼすSiの効果を検討したが、互に相殺するCとの関係を考えると30%Mn-10%Al-1.0%C-0.5%SiがSiの上限であることが知られた。 3)耐高温腐食性:Mnが<10%ではAlの低いほど、【<!-】10%では高いほど同特性は向上するが、C,Siの影響は少ない。 4)イオン窒化:組成がα相域では、鉄窒化物(ε-【Fe_(2〜3)】N,γ′-【Fe_4】N)、γ相域ではMn窒化物(【Mn_4】N)、AlFe化合物が生成され、Mn,Alの高いほど窒化層の生成速度は低下し、ち密な層状構造で硬度の高い窒化層がえられることが判明した。
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[Publications] 鉄と鋼. 71-589. (1985)
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[Publications] 鉄と鋼. 71-S1278. (1985)
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[Publications] 鉄と鋼. 71-S1279. (1985)
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[Publications] 鉄と鋼. 72-S515. (1986)
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[Publications] 鉄と鋼. 72-S669. (1986)