1985 Fiscal Year Annual Research Report
加圧流動床反応器を用いるメタノールと一酸化炭素からの酢酸の気相合成
Project/Area Number |
59850139
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨永 博夫 東京大学, 工, 教授 (00010760)
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Keywords | 酢酸合成 / カルボニル化 / 流動床 / CVD法 / 活性炭 / 触媒寿命 / 触媒再生 |
Research Abstract |
従来の含浸法による触媒調製にかわり気相蒸着法(CVD)を用いてニッケル/活性炭触媒を調製し、反応に用いた結果、従来法に比較して酢酸選択率の向上が見られた。また本法によれば表面積の極めて小さな炭素担体にも金属の効率的担持が可能である事が判明した。高圧自動連続反応装置を用いておよそ1000時間の連続運転を行なった。担体の活性炭の性状により触媒寿命に若干の差が観測されたが、いずれもある程度の活性低下が見られた。劣化の原因についても若干の知見が得られた。上に述べたCVD法を応用し、反応継続下での触媒再生が可能になった。流動床反応装置のコールドモデルを用い触媒粒径と流動化開始ガス線速度等について検討した。その結果をもとに高圧流動床反応装置を作製し、酢酸合成試験を行なった。当初担体として用いた活性炭が反応中に一部微粉末化し反応器出口の閉塞を起こしたが、物理的強度の大きい活性炭を探索すると共にフィルターシステムを開発し、連続運転が可能となった。反応成績は固定床で得られた結果とほぼ一致しており、流動状態にある触媒と原料ガスの接触が十分であることが示された。また本反応は発熱反応であり多量の触媒を用いた場合、固定床では熱の除去が困難で、触媒層に熱点が形成されたが、流動床においては反応管外壁温度に比べ触媒層温度が約40℃も高いにもかかわらず、その温度分布は±3℃以内で一様であり円滑な運転が可能であった。以上のように流動床反応装置が多々の利点を有することが明らかとなったが多量の反応ガスを使用するため、リサイクルシステムが必須であると考えられる。従って、本反応系の工業化を前提としたスケールアップには循環式流動床反応装置が最適であると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ind.Eng.Chem.Prod.Res.Dev.22-3. (1983)
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[Publications] Appl.Catal.7-2. (1983)
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[Publications] Ind.Eng.Chem.Prod.Res.Dev.24-2. (1985)
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[Publications] Ind.Eng.Chem.Prod.Res.Dev.24-4. (1985)