1985 Fiscal Year Annual Research Report
宿根花卉の広域的生態比較に基づく省エネルギー的新作型の開発と生産安定
Project/Area Number |
59860004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 恭明 京都大学, 農, 助教授 (20093263)
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Keywords | 宿根花卉 / ダイアンサス / シュッコンカスミソウ / 開花反応 / 四季咲き / 一季咲き / 低温要求性 / 低温遭遇 |
Research Abstract |
1.ダイアンサスの種間における開花反応の比較 低温要求性の異なる3種のダイアンサスを供試し、14℃以上・16時間日長下で育苗した後、そろった苗を10地区に配布し生態比較を行った。ある基準温度以下の温度遭遇量(遭遇時間数)と生育・開花との関係を検討した結果、(1)ある低温遭遇量を超えると、それに応じて開花側枝数が減る。(2)基準温度別にみた開花側枝数のピークは、D.brevicaulisでは6℃,D.plumariusでは3℃ないし6℃,D.caryophyllusでは1℃となった。(3)開花に対して最も効果的な低温量は、D.brevi.,D.pluma.で6℃以下400時間,D.caryo.で1℃以下100時間と出たが、D.caryoは四季咲であり、強制休眠との関係を考慮する必要がある。(4)摘心後の到花日数と温度遭遇量との間には3種とも正の相関が認められ、基準温度14℃で最も高く出た。(5)「休眠解除ののち、生育に適した温度下に置かれることによって開花に至る」との仮説のもとで、休眠解除に必要な低温遭遇量とこれに基づく休眠解除日を推定し、その後の到花日数を求めた。(6)以上から、例えばD.brevicaulisの場合、y=363.3+12.20χ(y:到花日数,χ:休眠解除からの14℃以下の温度遭遇時間),r=0.970が得られた。 2.シュッコンカスミソウの系統間における開花反応の比較 低温要求性の異なるシュッコンカスミソウ'Bristol Fairy'の栄養系統、BF-04,-09,-13,-20を供試し、そろった苗を10地区に配布して生育比較を行った。'Bristol Fairy'栄養系の自発休眠解除に有効な気温の上限をα℃とすると、これまでの実験から5【<!_】α【<!_】15と推定される。また各地区の温度データからβ℃以上の低温遭遇時間が5【<!_】β【<!_】15で互いに強い相関を有することが明らかとなった。「α℃以下の気温は自発休眠の解除に同じ効果を有する」と仮定し、chill unit(CU)モデル〔【∫(^b_a)】f(T)・Hdt〕を適用して自発休眠解除期を求めた結果、これまで現象的に確認してきたBF-20>-04>-09>-13(到花日数)の順位と一致する結果を得た。
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Research Products
(1 results)