1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59860025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 稔 京都大学, 農, 助教授 (00026460)
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Keywords | 木材溶液 / 木材液化 / 液化木材燃料 / バイオマス / エネルギ |
Research Abstract |
ラウロイル化木材のアルコリシス溶解物を軽油及びA重油と混合し、質量割合6.7%の木材含有軽油と6.4%の木材含有重油を調製した。これら木材溶液燃料を約9ヶ月間放置したところ、木材含有重油については異常なかったが、木材含有軽油では未溶解木粉が若干沈澱しているのが認められ、多量に液化反応を行うための装置技術の改良が必要であることが判明した。昨年度はガソリン機関、ポット式バーナに適用し種々の問題点が明らかにされた。それらは主として木材溶液の分留温度の差に帰因するものであり、気化燃焼による場合、よい解決方法がない。よって本年度は、燃料を加圧・微粒化する噴霧燃焼のディーゼル機関及びガンタイプバーナへの適用性を調べた。木材含有軽油のディーゼル機関への適用性実験では、水冷4サイクル渦流室式単気筒637mlディーゼル機関を供試し、電気動力計による出力特性を調べた。クランク角、上死点、筒内圧、噴射ニードル弁リフト等の信号をパーソナルコンピュータ燃焼解析システムにより処理し考察した。木材含有重油のバーナへの適用性実験では、灯油・A重油焚用ガンタイプバーナ(燃油量3〜8l/h、圧力約8kg/【cm^2】)を用い、着火性、燃焼温度について調べた。以下に結果の要点を列挙する。 1. 両燃焼機器ともその燃料供給系統に支障を来たすことはなく、ディーゼル機関の始動性及びバーナの着火性も良好であった。 2. ディーゼル機関による出力特性は標準軽油に比し、高回転域で劣る。更に、燃費率の悪化が明らかであり熱効率は低い。 3. 指圧線図、圧力上昇率、熱発生率を検討した結果、木材含有燃料では燃焼開始と共に急速な圧力上昇があり最高圧力は軽油を上回る。主燃焼期が短かく急激に燃焼が収束する。これは燃料に含まれているアルコールの燃焼速度の影響と考えられる。 4. バーナによる火炎における温度分布には著しい差異はなく、十分実用性がある。 5. 無処理木材の溶液化とその利用の研究を推進させる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 農業機械学会関西支部報. 56. (1984)
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[Publications] 農業機械学会関西支部報. 58. (1985)
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[Publications] 農業機械学会関西支部報. 60. (1986)