1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59870017
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
家森 幸男 島根医科大学, 医, 教授 (80025600)
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Keywords | ネフローゼ / 蛋白尿 / ネフローゼ自然発症ラット(SNR) / 血清アルブミン / クレアチニン / コレステロール / 微小変化群 / 副腎皮質ホルモン |
Research Abstract |
大量の蛋白尿を来すOM/N系の選択交配によって得られた腎障害自然発症ラットSpontaneous nephrotic rats(SNR)は、初年度における腎の病理組織学的研究により、原発性ネフローゼ症候群、ことに微小変化群の自然発症モデルとなりうることを明らかにした。今年度は本モデルの臨床研究上の意義を明らかにする目的で副腎皮質ステロイド剤の投与効果について検討した。 〔方法〕35週令の雌性SNRにプレドニゾロン3mg/kgを経口ゾンデを用いて連日4週間にわたって投与した。採尿は24時間尿を毎週一回、採血はプレドニゾロン投与前と投与終了後に行った。蛋白尿はLowry法、血清アルブミンはBCG法、総コレステロールは酵素法、血清クレアチニンはJaffe法で測定した。 〔結果〕35週令のSNRは1日平均285mgの大量蛋白尿を呈したが、プレドニゾロンの4週間の経口投与により尿蛋白量は3型のパターンを示した。即ち、徐々に増加していくもの、明らかに減少し再び増加するもの、ほぼ一定値を保つもので血清アルブミンと総コレステロールは減少し血清クレアチニンは増加した。 〔考察〕30週令以上の加令したSNRではプレドニゾロンの経口投与による蛋白尿の減少は一過性であり、増加した血清クレアチニンの改善はみられなかった。すなわち、血清クレアチニンが高値となるような腎障害を有する加令したSNRでは副腎皮質ホルモンの効果はない。ヒトの微小変化群でも成人例では小児例に比べて副腎皮質ホルモンの治療効果が低下することから、更に10週令以下のSNRでも同様の治療を行ない、腎の組織学的研究を行った結果、必ずしも有効ではなかった。このことからSNRは病理組織学的には微小変化群に相当するが、ステロイド治療に反応しない難治療ネフローゼであり、ネフローゼの成因、治療の研究に極めて有用なモデルであることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)