1985 Fiscal Year Annual Research Report
臓器微小循環系のin vivo同時三次元解析システムの開発と微小癌診断への応用
Project/Area Number |
59870029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 武信 大阪大学, 医, 助教授 (80028399)
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Keywords | 微小循環 / 三次元解析 / 微小癌 / 近赤外光 / 酸素 / 肝臓消化管粘膜 |
Research Abstract |
本研究は、可視光、近赤外光を高性能SIT撮像管で計測し、画像処理により、組織の三次元の微小血管床の血球の流れと酸素のトランスポートをヘモグロビンのシグナルから捉えるシステムを作成して、経時的計測により肝や消化器粘膜病変の病態生理を三次元的に解明、臨床応用へと発展させるのを目的としている。昨年度はまず組織微小循環の可視化のためのTV-顕微鏡システムを作成し、各種のバンドパスフィルターや干渉フィルターを組合せ、可視光分析、近赤外光分析を可能とした。本年度は同システムを用いて、ラットの肝、胃粘膜微小循環系の経時的三次元解析を行ない、病態との関連について検討を開始した。肝臓では門脈域と中心静脈域の類洞の血管径、血管床、血管分岐数、角度などが異なることは昨年明らかになったが、これらの類洞血流は呼吸、心拍などの生理的変動や、アルコール、各種血管作動性物質、プロスタグランデインにより著しく変動することが明らかとなった。特にアルコールは急性に門脈血流を増加させ、アルコール代謝亢進に対応するが、類洞血流の増加は一様でなく、1.5〜2.0倍の増加を示す血管と0.9〜1.1倍と殆んど変動を示さない血管があり、血流調節に影響を与える因子として血管分岐角度や血球濃度(ヘマトクリット、白血球数)などが局所調節因子の他に重要と考えられた。またHe-Neや色素レーザによる微小部位深層の微小循環は画像処理法を組合せることにより解析できつつあるが、微細構造の詳細はなお不明である。さらに、画像処理による類洞血流酸素化の画像描出はCCDチップと3枚の干渉フィルターにより検討しており、real timeでの描出が可能になると思われる。拡大内視鏡は市販の35Xからさらに170Xまで検討し、粘膜血管の可視化に成功した。次年度には、その画像処理臨床応用を検討する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] GASTROENTEROLOGY. 88-4. (1985)
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[Publications] ALCOHOL. 2-3. (1985)
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[Publications] 肝臓. 26-2. (1985)
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[Publications] GASTROENTEROLOGY. 88-5. (1985)
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[Publications] DIGESIVE DISEASERSCIEC. 30-4. (1985)