1985 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムドプラ血流映像システムによる異常血流の計測システム開発とその臨床試用
Project/Area Number |
59870034
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
仁村 泰治 国立循環器病センター, その他, 研究員 (50028320)
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Keywords | リアル・タイム・ドプラ血流映像 / 弁逆流 |
Research Abstract |
本年度は2年目であり初年度のドプラ血流映像装置とデーター処理装置の結合をテストすることと、逆流の定量分析のための基礎実験を行なった。実験は各種弁逆流のモデル回路を作成し逆流シグナル像と真の逆流量との関係を検討した。モデル回路は回転式ポンプと電磁弁を組合せて拍動流を作成し、液漕内に小さな穴を通して噴出させた。使用液は血液粘度と等しい粘度を有する水・グリセリン液である。小孔の径、拍動流の圧を変化させ逆流シグナルと真の逆流量を対比した。 〔結果〕圧(50mmHg)、拍動数、駆出時間を一定にして、噴出口を直径1.0mmから2.0mmまでの6段階に変化させた。噴出口が大きくなるにつれて実際の1回噴出量strok quantityも増加した。この1回噴出量と血流映像上の諸指標とは良好な一次正相関を示した。しかし少なくとも今回の設定の範囲では、シグナル面積、同容積の場合は噴出量0から殆んど正比例関係で増加するものと見られたが、最大到達距離は噴出量がわずかでも急速に伸び、ある範囲を越えるとそれより先は一次関係で増加するものと思われた。 本研究において、実際の噴出量とドプラ血流映像図上の噴出シグナルの最大到達距離、面積、容積との間には、良好な正相関が認められる。これらの中では面積や容積は0付近より正比例関係のあることにより噴出量の判定法として、より良好と思われる。しかし本研究では諸条件のため少量の噴出量しか得ることができず、より多い噴出量が得られれば最大到達距離についても0付近の問題を相対的に無視しうる様になる可能性もある。また今回の実験設定条件が臨床状況に反映するかどうかは問題であるが、少なくとも今回の設定からは臨床でのドプラ血流映像図による逆流程度の評価は見込みがあると思われる。
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Research Products
(2 results)