1985 Fiscal Year Annual Research Report
組織血流・酸素分圧・電気現象同時測定用システム及び電極の開発
Project/Area Number |
59870051
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
下地 恒毅 新潟大学, 医, 教授 (30040158)
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Keywords | 組織血流 / 酸素分圧 / 電解式水素クリアランス / 脊髄背面電位 / カテーテル電極 |
Research Abstract |
本年度は硬膜外組織血流・酸素分圧・電気現象の同時測定用3電極を一体化するにあたり、電極作製上の問題点について前年度に引き続き検討するとともに、動物実験において測定精度を検討し、本システム摘用の有効性を検索した。 前年度からの課題で重要な点である一体化電極の機械的強度については、導線を収めるチューブの材質にフッ素樹脂(テフロン)を用い、導線の直径を0.1mmとすることでかなりの向上が得られた。しかし、この場合チューブ内腔が極めて小さいので、薬液注入の抵抗が大きく、また、チューブが少し硬めであることから操作性を十分満足するものには至っていない。この点は更に改良を計る必要がある。 一方、この電極による測定精度を調べるため、ラットおよびウサギを用いてそれぞれの測定項目について従来の測定法との比較検討を行なった。組織血流量については電解式水素クリアランス法に関するこれまでのわれわれの測定技術がほぼそのまま応用でき、安全で信頼度の高い測定ができることが解った。酸素分圧の測定ではS/Nレベルが未だ満足するには至っておらず、S/Nの向上のため電極形状の工夫やプラスチックフィルムによる電極のコーティングの必要性を検討している。電気現象については、既に硬膜外腔に試作電極を挿入して脊随背面電位を記録することに成功しており、硬膜外組織血流との同時測定を進めている。 硬膜外組織血流と同一分節脊髄組織血流が血中炭酸ガス分圧および脱血に対して平行に変化することが解った。この現象は他の組織、例えば筋組織血流との間には相関が見られないことから、脊髄・硬膜外両組織血流が同一の機序によって調節されていることを示唆する基礎的知見である。これらの知見を下に、さらに材質、薬剤注入の効果、酸素分圧同時測定等についても検討する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Clinical Neuroscience. 3-11. (1985)
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[Publications] The Asian Medical Journal. 28-6. (1985)
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[Publications] 日本医事新報. 3186号. (1985)