1985 Fiscal Year Annual Research Report
高速液体クロマトグラフィによる血中性ステロイドホルモン全自動迅速同時測定法
Project/Area Number |
59870054
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
関場 香 岡山大学, 医, 教授 (90033042)
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / 電気化学検出器 / 紫外線検出器 / 性ステロイドホルモン / 自動化装置 / ダイレクトアッセイ法 |
Research Abstract |
1.自動試料注入装置、溶媒切り替え装置、シーケンサーを導入してシステムの完全自動化に成功し、血清0.5mlが自動的にクロマトグラムに注入され1検体当たり60分間で6種の性ステロイドホルモン連続測定が可能となった。 2.ステロイド標準品を用いた検量線はおおよそ100pgから80ngの範囲で良好な直線性を示し、回収率、再現性はそれぞれ92.0%から98.1%、2.4%から3.9%と優れている。 3.妊娠18週から39週の妊娠(n=20)血清を用いた本測定法による測定値とradioimmunoassay法による測定値との相関はestradiolでr=0.938(p<0.001)、progesteroneでr=0.926(p<0.001)と電気化学検出器、紫外線検出器による測定値とも良好な相関を示した。 4.正常例及び排卵誘発症例の排卵期、黄体期の血清中estradiol、estrone、progesteroneを測定し、排卵時期の予測および黄体機能の評価に本測定法が有用であると判明した。同時に行った尿中総estrogen(市販のハイエストロテックで測定)との相関では翌日の尿中測定値と良く相関し(すなわち尿中ホルモンの反応遅延を示し)、day to day,time to timeに変化する内分泌環境を把握するには本測定法による血中ホルモン測定が不可欠である。 5.本測定法により血清中だけでなく卵胞液中および羊水中の性ステロイドホルモン測定が可能であった。 以上の検討から本測定法の応用により卵胞成熟の判定、胎児環境の把握など迅速、簡便、多項目的に臨床に対応することができる。
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Research Products
(2 results)