1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59870072
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
小林 義郎 東京薬大, 薬学部, 教授 (90057282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 武夫 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (00016180)
池川 信夫 東京工業大学, 理学部, 教授 (50016119)
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Keywords | ビタミン【D_3】 / ビタミン【D_2】 / トリフルオロ / ジフルオロ / フェニルスルホニル / カルシウム |
Research Abstract |
活性型ビタミンDは腎あるいは副甲状腺機能障害に基づく骨疾患治療薬として利用可能であるばかりでなく、最近、細胞分化誘導作用に基づく制がん活性が注目されている。本研究は、担当者らのこれまでの結果を踏えて、より有効な活性型ビダミンDの開発を目的として含フッ素アナログの設計,合成および生理活性の検討を行うものである。既に1,25【(OH)_2】【D_3】の抗代謝アナログである24位あるいは側鎖末端フッ素置換体に高い活性が見い出された。一方、ビタミン【D_3】に比べビタミン【D_2】に関しては化学合成の困難さと相俟って含フッ素アナログの合成と生理活性の検討は報告例がない。担当者らは、活性型ビタミン【D_2】がビタミン【D_3】同様に強いD作用を有する事から含フッ素アナログの合成を検討してきた。本年度は以下の研究実績を挙げる事ができた。 1.28,28,-【F_3】-25-OH-【D_2】の合成:昨年度本化合物の合成ルートの確立ができていたが、24位の不斉炭素原子に基づく両エナンチオマーを純粋なものとして合成することが問題点として残されていた。我々はその目的を達成可能するキラルなビルディングブロックの開発を行うことができた。 2.26,27-【F_6】-25-OH-【D_2】および 28-Nor-26,27-【F_6】-25-OH-【D_2】の合成:側鎖末端にフッ素を導入してその位置での水酸化をブロックした標記化合物の合成に成功した。特に前者の場合に、24位の不斉中心に関しては両エナンチオマーを純粋なものとしてそれぞれ得ている。 さらに、24位フッ素置換体合成に利用可能な2,2-ジフルオロ-3-アルケニルエステルの有効な合成法を確立した。 本研究の遂行にあたり科学研究費はすべて試薬等消耗品の購入に充当した。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 田口武夫: Tetrahedron Lett.25. 4933-4936 (1984)
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[Publications] 大島悦男: Chem.Pharm.Bull.32. 3525-3531 (1984)
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[Publications] 田中洋子: Arch.Biochem.Biophys.299. 348-354 (1984)
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[Publications] P.H.Stern: J.Pharmacol.Exp.Ther.229. 9-13 (1984)
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[Publications] 田口武夫: Chem.Pharm.Bull.33. 4077-4080 (1985)
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[Publications] 中田まさき: Arch.Biochem.Biophys.241. 173-178 (1985)
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[Publications] H.P.Koeffler: Cancer Res.44. 5624-5628 (1985)
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[Publications] 小林義郎: 有合化. 43. 1073-1082 (1985)
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[Publications] 小林義郎: Chem.Pharm.Bull.34. 1568-1572 (1985)
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[Publications] 田口武夫: Tetrahedron Lett.27. 5117-5120 (1986)
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[Publications] 田口武夫: Tetrahedron Lett.27. 6103-6106 (1986)